_ 意識も知覚の一部門であって、輻輳した高次元の空間で、意味一般について認知している。意識はそれ自身の力によって進行しているかのような錯覚があるけど、独立して存立しているように見えるのは、世界観という全体性に関わっているせいだろうか。意識が自発的なわけではなくて、自発性=自由というものも外官におけるクオリアのように、状況に対する把握=反応を効率化するために、天然の哲学によって加工された認識の技法なのだろう。世界(観)と、それに対置し得る鏡像を仮構して、世界の外で世界を眺める俯瞰的=包括的な視野を空想するわけである。法則を抽出するために。
意識にとっての世界はもちろん、代表的な性質を抽出して人形化(ピグマリオネーション)された幻像であるが、意識はそれを世界自体と認識するように要請されているし、世界を眺めるじぶんじしんを、いつでも世界の中に描き込むことができるから、世界を眺めるじぶんを含む世界を眺めるじぶんを含む世界を眺めるじぶんを含む世界を眺めるじぶんを含む世界を眺めるじぶんという無限背進の波に身を任せて、どこまでもめまいしながら流れていくこともできる。
質量のない鏡を支えるのは、映し出された像だけであり、意識の視野は常に視野に映るもののなかに含まれ、同時にそれを含む。これはそのままで、信仰の究極的な形態であろう。
健常な意識は、あらゆるものを、あらかじめ信仰している場所から出発する。そして、信仰していることをさえ信仰する。神という名前をつけて。
しかのみならず、なおも、それを外から眺める。言葉というルシファーの翼を借りて。
_ かかるほどに、ただ因りながら繰り探ってみれば、事柄はたがいまがいに支えあい浸しあっている。包み立つ角度で延び渡る心の触手を、隅々にゆき届かせているかのようなあおじろく光らび泡めく悟り。もしやかな手応えが、今に結実して、覚え逸らしに確かめいてくる。うとく知る意味の境界が、抽象の物体波に震え不確かになるときだけ、鬱り気におぼめき、か触れてくるように。
いに知れるそぼ古い秘儀を、さも合えぬかたちで調える。ほのまぎれにいや分かたれる概念のさら内を際々にかすめて。約着する名前の、付きつ離れつの精妙な落着。しっとりと寄り添っていながら、別の次元ではひた退さっている。斥力を腹の下に押し縮めて浸り付き、いつでも撥ね戻る発条よろしくさようなれるように。
「あれはなんという生き物ですか?」
「<誰にも気付かれないうちにそっと立ち上がろうとしている制度>です」
「敵ですか?味方ですか?」
「いまはまだなんとも……雌であることは確かですが」
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「どうして思い出なんてものがあるんだろう?」
「それがなかったらなんでも好きなこと思い出せるのにねえ」
「取替えっこしよう。思い出」
「また? もうないじゃんよ。あんたの思い出、めぼしいやつ」
「ちぇ! あ〜あ、おれ人生経験乏しいもんなあ」
「就職しな」
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「なぜこんな……これほどたくさんの都市がこんな場所に?見渡す限り市街地じゃないですか」
「そりゃあ、都市だって滅びりゃ天国か地獄に来るってことです。魂がありますからな」
「へえ、あ、あの街路を走り回っている大きなフンコロガシみたいなやつらはなに?」
「あれは中絶された都市ですな。転がされてるのが都市の胎児でして転がしてるのが魂ですわおっとっと!……揺れますな」
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◆海の渡り◆
中天を水が流れる。なにが呼ぶのであろう、高々と渡りゆく滝。東から西へどうどうと落ちる。地平から地平に架かるのたうつ水の橋を、幾連もの腕環のように虹がめぐる。運の悪い漁師が何人も、山と森に落ちた。雨のように魚が降り、星のように鯨が。
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ご案内しましょう。これが最初に陸に上がろうとした魚です。となりは最初に飛ぼうとしたとかげ、こちらは最初に話そうとしたサルです。次のこれは最初に世界を創造しようとした神ですね。そしてあちらが最初に起ころうとした出来事で、ご存知のとおり現存する最後の出来事でもあります。で、ちょっとご覧になりにくいとは思いますが、最初に話されようとした言葉がここにあります。ええ、もちろんあらゆる媒体から遮断されていますから辞書にも載ることができません。そのせいで辞書には、常に餓えた印象がつきまとうのですが。
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四十年間歌い継がれたが、ついに歌い終えられたその歌。
それは母いがいの、ありとあらゆるものに似ていて、余韻に浸る間にもみるみる一般的に擬態してゆく。
歌の上に降る雨は、歌を見失い、すこし雨脚を弱めることで、とまどいをあらわす。
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「そんなにちいさい声じゃ聴こえないだろう」
「話してるんじゃないの、見ているの」 「ああ!」 「ここでは色が音だから」
「わかる、わかるよ、なんて青い……ぼくは今音を見てるの?色を聴いてるの?」
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「夜半、扉を三度、二度、七度、一度、二度、十七度、二度、二十二度、四度、四度、四度の拍子で叩くものがあったら、絶対に扉を開けてはならん。よいな」
そう諭されて三日後、拳から骨の出た尼僧を見た。
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「どうしてこれはどまでに巨大な塔を造ることができたのでしょう?」
「材料があったからじゃろう」
「いえ、あの????そもそもどうして可能だったのでしょう?」
「労力があったからじゃろう」
「えーその、つまり材料や労力をこれだけ費やして、なにを求めていたのでしょう?」
「この塔の建つ場所にもともとなにがあったか?それを知ればそなたも理解できようぞ」
「それはいったい?」
「その秘密は絶対に口外してはならないのじゃが、そなたはそう誓えるかな?」
「誓えます」
「ふむ、信じよう。そなたはけっして口外するまい。わしと同様にな」
そう言うと老師は、村のほうへゆっくりと歩み去っていった。
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卓越した技量のレプリコーンは、カモが所持していないものまで掏り取ることができるという。臆病者から勇気を。農奴から土地を。王から安息を。神から祈りと頽廃を。せしめたものは時折、行き当たりばったりに別の持ち主に返す。
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あおぞらは地球の想念を映し出すかのように、どこまでも広がっているけれど、
外側からは絶対に見ることができなません。
おなじように心のなかにも、まっさおなそらが広がっています。誰にも見せることができないそらです。
それを見上げるぼくは、そらにとって人だろうか星だろうか。
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三度目の夢の駅に着いたら、切符を折って前歯で噛んでください。かちり、と音がして蜜柑の匂いがしたら成功です。そしたらわたし、お嫁に行きますから。
たとえ耳が聞こえなくとも、じぶんが叫んでいることは分かる。
たとえ眼が見えても、じぶんが光っていることは分からない。
生き物によってはわれわれを、あかあかと燃え盛るともしびと見るのだが。
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あおぐろくゆらぐ炎を耳に灯し、犬に似た、しかし姿形定かならぬものたちが、都の西の原をひた走って。<姫>の夢見が終わらぬうちに、夢のなかに還り着こうとして。今しも、消えがてにほののいて。怖けようとも、鳴声もたてずに。遠国で一夜にして学びし異端の知恵を、<姫>の脳に帰すために。
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「ぼくたちの使っている世界の地図は、世界そのものの魂だから、地図が傷むと世界も壊れてしまうんだ」
「地図は世界の外に書き込むのが無難じゃないかしら?」
「当初はぼくたちも、そう考えていた。でも、世界の外に地図を書き込むために使った言葉は、世界の外にまで世界を書き込んでしまうようになる。つまり、言葉じしんが道をおぼえてしまうんだ」
「地図が、言葉の魂になってしまうのね?」
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橙色の蚯蚓腫れが、天体と天体を結び付けてゆく。空隙が大きいところは、場を灼き焦がすいきおいで伸びる。眼に見えるにおいが、けむりとなってたなびき、壮大な紋様が織り成されてゆく。独自の幾何学を持つ神さびた蜘蛛の業のように。いかなる血液が、あの管を流れているのか。いつしかわたしの二の腕にも、橙色がもこりと、身をもたげる。そのとき、ここも内側なのだと、悟る。
ぴちょん。しずくがひとつ、落ちるひびき。
とうとうやって来たのだ。
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「<みずから名付けを拒む概念>は『みずから名付けを拒む概念』という名付けを拒まないのですか?」
「ああ、拒む、というのは固有名を認知しないということではないんです」
「というと?」
「あれに付けられた名前はすべて一般名詞になってしまうんですよ。だから、とりあえず呼ぶときも、言葉は慎重に選ぶ必要があります」
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「なんだ?あのひどく急き立った集団。野火かと思ったら、なにかの群れだ」
「<姫>の内心の犬でしょう。妙に切迫したけはいですなあ」
「一匹分かれてこっちくるぜ」
「おや、あなたの槍を嗅ぎつけたのですかな。内心の犬はよく統制されているはずなんですが」
「どこにでもイレギュラーなやつがいるものだ」
「いえいえ、これはよほどのことですぞ」
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顔のない表情のように、語るすべのない物語が、結んではほぐれ結んではほぐれ、できるなら世界の翳りのなかに、それが叶わずばせめて天井の木目の流れるまにまに残存しようとして、近所の赤児を軒並み泣かせる。
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「あれはなんという生き物ですか?」
「<まわるウェディングドレス>です」
「どういう機構で浮いているのでしょう?」
「あれは浮いているのではありません。西かあるいは西南西に落下しているのです。方角と結婚した花嫁なのです」
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かたちなきものを狩る犬のごときものたち。
かれらが持ち寄った断片を、もとよりパズルのピースであったかのごとく、ひとつの、大きなかたちに組み上げてゆく。断片の意思に従い、収まるべくして収まる位置に。
ばらりと、散逸する。何度も。飽かず組み上げる。
どのかたちにしても残るおなじかたちの空洞。その空洞を恋い、そこを埋めるものを乞い、焦がれる。犬のごときものたちのごとく、空洞をあさましく嗅ぐ。
泣きながら目醒める。
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おおきな雪とちいさな雪が降る。おおきな雪はとてもゆっくり、ゆうらりゆらり落ちてくるので複雑で不ぞろいな結晶がよく見える。きらきらした都市をうす氷のように持ち上げて、おもてうらに貼り合わせたみたいだ。
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「眼球のない少女のように見えるでしょうが、わたくしはエンジンです」
「弾痕のある果実に見えるでしょうけど、ぼくは修理工です」
「わしゃ徹頭徹尾作業台じゃ。あいさつは抜きでとっとと仕事にかかってくれんか」
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森が乗り組み雲を頂いた船が海を連れて飛び立つ。
「あれは丘?ですか」
「登ることができて、見晴らしがよいものであることは確かですな」
「登ってみていいでしょうか?」
「どうぞ。そのかわり二度と降りることはできませんぞ」
「なぜ?」
「頂上が時極ですから。主観的に全方位が過去になりますので」
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【基底的記憶】
「眼に触れるすべてのものが懐かしい。二度眼に触れるものはもっと、三度眼に触れるものはもはや耐え難い!」
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クロンセントの賢王アイトールウイススは、古今の秘儀に通じ、あるとき人の眼より暗愚の曇りを吹き払う秘法を会得した。
アイトールウイススはいかなる認識の痛苦にも苛酷な真理にも耐える勇気を備えていたが、澄明なる思索に沈潜する生活をひと月ばかり送ったところで、はなはだしい衰弱のあまり、あえなく法呪を解いた。懐旧の念が際限なく募ったためである。
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ありとあらゆるものがいくばくなりとも旧びているが故に、人の眼には常にノスタルジアを和らげる蔽いがかかっている。時折苦痛なほどの懐かしさが、酸のように胸に沁みることがあるが、蔽いを払いじかに触れる酷烈なノスタルジアは、勇気によってはくじき得ぬ情調であり、いかな賢王といえど抗うべくもなかった。これよりのち王は、禁制がほころびた旧い旧い記憶に苛まれ続けたが、これらの記憶を〈基底的記憶〉と呼んで独断的に重要視し、膨大でとりとめのない口述記録を残した。残された原稿には「号泣により聞き取り不能」と記された欠落部分が頻出する。
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「この夢を忘れないでください」
「って夢のなかで言ってもだめだよきっと」
「・・・・・・・・・・・」
「直後に目覚めないとね、夢って記憶に残らないんだよ」
「すーう」
「ん?」
「わっ☆!!!」
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自分たちのいのりを叶える唯一の神が、いのりを聞き届けてはくれないことを悟ったとき、かれらはかつてない斬新な計画をこころみた。
それはいのりを叶える力はないが、聞き取ってはくれる神にいのること。
つまり、自分たちの神ではない神に「伝言」を託したのである。
.
「妖精もね、人間と頻繁に接触すると精神のバランス崩すやつおるから、妖精の精神分析学のね、開祖になろっかなーって思ってるわけ」
「ふーん」
「冬場に水で顔洗うのいやだなんて言い始めたら妖精も終わりだわ」
「ちょっと待って。その程度で狂ってるってか?」
「もともと狂ってる人間の尺度で考えたらだめ。個体差も世代差もあんたらよりずーっと小さいんだから」
「このようにして、就寝前に設定したとおりの夢を見ることができる、というわけです」
「 “夢の内容を自由に設定できるという夢” という設定にすれば、夢のなかで設定を変更できますか?」
「ええ、まず “それが可能な現実のなかで見られている夢” という設定にすれば可能ですよ」
.
まだ卵から孵ったばかりの博物館。こーんなにちいさいのに、もうずいぶん分類本能と陳列力があるんですよ。そのせいで兄弟間の競争けっこう熾烈なんですけども。
あ、ほら!蒐めてます、蒐めてます。かわいい鑑識眼してますよね〜。クリクリっとして。
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踏切の音、そして通過する列車の音。常温の突風。石が関節を曲げるときのような震動。
意味はわからないなりに、この組み合わせは樹木だったときにも聞いていたように思う。むろん鼓膜を介してではないが、しかし歌として、なかまたちとともに。
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「それは最初の神経、最初の眼、最初の翼を虚空から呼び出した力とおなじものよ。墨痕のかすれや、釉薬のひびわれ、水のように震える弦、忍び足のような脚韻、母親の目配せ、想いびとの移り香、はじめて見る雪、血に濡れた歯形、じぶんの内臓が腐敗する臭い、または記憶にない記憶。それは過去のななめ後ろから訪れるもの。赤ん坊の瞳の奥にあるほのめかし。虚空からなにかを引用して、わたしたちに書き込もうとする力。—無限回試行されて、ほとんどは失敗に終わるんだけどね」
「それが〈風情〉の定義なんですか?」
「定義じゃないわ、設計思想よ。それか、理念」
「すると、この場合“失敗のほうが主目的”と理解すればいいわけ?」
.
白の時間と黒の時間は「滅び去るとはちがう消え方」の先生です。
白の時間は、じぶんがどこに落ちるか知ってる雪みたいに優しい。
黒の時間は、ほっぺをふくらまして怒るクジラみたいに怖いけどかわいい。
帽子を取るとふたりとも、帽子のなかに入るわけないながーい角をしてるんだ。角の名前は長くて憶えられないけど、日本語だと「進化の袋小路」っていう意味だって。
.
あの天井から鍾乳石みたいにさかさまに垂れ下がっているのが、お城ですよー。
あそこからはみんなが鳥に見えまーす。さあさあ、練習どおりみんなでさえずってみましょう。じょーずにできると、なんと!エサが落ちてきます。
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「あれはなんという生き物ですか?」
「ふむ、新種ですね。あなたが発見者です」
「じゃ、命名していいんですか?」
「どうぞ。命名します、と宣言して、名前のみを発声して五秒以上沈黙してください」
「それはなぜに?」
「命名の瞬間は物理科学的には確定できませんから、儀式的に確定するんです」
.
いままで未来の方向が前だと思っていたのだがあらゆる方向から時間が流れてくると時間的自由落下状態になってしまってどっちがさっきなんだかあーなんかわけわからんぞ書き進むってこっちでいいんだっけ?うーむ、一応このくらいの字数だとひと目で見られるからなんとかなるもんだな。実感として全部の字を同時に書いたみたいで気色わりいけど。
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「夢のなかでパズルみたいにパキっとはまってきたよ」
「なーにがですかな?」
「あの内心の犬が運んでた記憶だよ」
「そういえば姿がありませんな。昨夜はエンデュラムの槍に寄り添って眠っておりましたが」
「役目を終えて雲散したか、それとも<姫>の許へ帰ったか」
「帰っていたらやばいですなあ」
「やばいなあ。<姫>ってレーレンドールの弟子なんだろ?」
「一番弟子でしょうな」
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明日は君の死体を見に行こうね。くわしい解説も付いているんだよ。実はぼくが書いたんだけど。ラヴレターだと思って読んでよ。黄鉄鉱の結晶に彫ってあるんだぜ。そうだよ、あの日君といっしょに盗んだやつさ。
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【南南西天間隙】
脳裏と天球に同時に存在する天然の要害。参照あたわぬ領野と黙許された領野のあいだを隔てる。間隙の向こうには隠秘なる知と夢が、触れる者もなく凍結しているといわれる。
レーレンドールが踏み越え、帰還をみなかった「エンデュラムの関門」は、南南西天間隙のカリフィア風の呼称(エンデュラムは超々長期記憶の意。カリフィア神話の記憶の神から)。
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「邪魔くさいなこの記憶。ひとりでに思い出してるし」
「よみがえらせた記憶とよみがえってきた記憶の区別がつきますか」
「だっておれが持ってるはずのどんな記憶より懐かしいもの。それなのにもっと懐かしいはずだって記憶のほうがさびしそうにしてる」
「それで泣いておられるわけですか。どんな記憶です?」
「前歯で噛むと……蜜柑のにおいがする切符の記憶」
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「残念ながら色彩だけが参加を許された祭りなんですよ。踊りを見るだけなら見られますけど。それとも、お客さんの肌の色だけ参加します?」
といういきさつで、わたしの肌の色はいそいそと出かけ、わたしは朝になっても帰ってこない肌の色を待たされる羽目になった。
もしかして、わたしの肌の色らしきもの、見かけませんでした?もう、このまま出かけちゃおうかしら。
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このへんは昔海だったんだよ。でもちょうどここまで。この団地と・・・あの小学校からむこうはずっと陸。うちの町内は海だったり陸だったり。そら?そらってなに?ああ、あの空か。当時はまだなかったね。たしか市制三〇周年の記念事業で造ったんだよ。
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……冥豹は、さほど豹に似ているわけではない。姿形は四足獣のかたちに切り取った夜空。非常な長命とされる。少なくとも屍骸を見たという信頼できる報告はない。そもそも出会うことが稀である。
冥豹の餌食になった者は肉体は消化されるが精神は体内に残る。つまり冥豹の寿命のあいだは思索を続けることができる(冥豹は異界の知覚しか持たないため、食ったものの心を通じてこの世界を知覚し理解するのかもしれない)。
……伝え聞くところによれば、アシュカンテの密林に秘匿された窮理の寺院に、一頭の年ふりた冥豹が飼われている。その体内には代々の高位の僧たちの心が収蔵され、正しく問う者にのみ、古今の、解き難き謎の答えを分かち与えるという。
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_ ぽろっと単行本を読んで、大大大すきになったりしても、他の作品を追いかけたりしないで、おなじマンガを何度も読み返して満足している方なのだが、いざ目の前に突きつけられれば別だ。
なにを買うつもりもなく本屋に行くと、こがわみさきの『魅惑のビーム』と並んで『しあわせインベーダー』が置いてある。
『魅惑のビーム』は何度読み返したか知れない。しかし郊外型書店が、なんでこんなどマイナーなマンガ置くよ?信じらんない!
昼飯を抜くと決めてソッコー『しあわせインベーダー』購入(『エルナサーガⅡ』の一巻も出ていたので、五分間迷って晩飯も抜くことになった・・・・)。
帰宅。あっというまに読了。なんつーことない普通の少女マンガだ。期待どおり。読み返したときのほうがおもしろいのだ、今度もどーせ。ソッコー再読。
おれのシナプスをハートの流れ星が駆け抜けるこの表情の生彩。眼球に羽が生えて風に乗っていく気がする緩急自在のコマ割。
「侵略しに来たゾナ〜」
これだよ!これがオチってもんだよな!と言って膝を。 たん!
バラード並み、とは言わないが、とてもコンデンストである。長編を描かないでくれ。これを長編でやられたらキャパを超えます。
_ おもしろかったので腹へった〜ちくしょー。海苔があったな焼き海苔。
_ 自転車で適当に角を曲がっていくと、いきなり見たことのない坂道の途中に出た。人も車も通らない。信号だけが変化している。
だらだらと坂を上り詰めると日陰のない平板な広場がある。今日は音のない日だ。
周りにはおなじかたちの真新しい家がおなじ角度で並んでいて、それを背景に、光沢のない折り紙のような二次元平面がちらほらと浮かんでいる。地面に影を落してはいない。なんだろうこの色。思わず眼をしばたくが、光を媒体としない色なのか、眼を閉じても脳裏にはくっきりと見える。残像がきついだけかもしれないが。厚みがまったくないらしく、あるかなきかの回転で、見ため上ゆっくりと狭まっていって線になり、消え、またちがう色の線となってあらわれる。満ち欠けを繰り返す。風情のない宇宙の慈悲のない月のようでもあり、なにも売るものがないという広告のようでも。
いつのまにか数が減っている。欠けたまま、満ちてこないのだ。
なにかが、なにかを通り過ぎているのだろうか。加速度ではない移動の感覚を肉体が申告し、心が保留している。
虫が、はじめて電光掲示板を見るようなものかな。
じーじーじーとか鳴いて、ぶーんと飛び去ってみたくなる。
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「あれはなんという生き物ですか?」
「あっ、立場逆ですね今回。じゃ、命名します。 墓石のめざめる街角・・・・・・・・」
「・・・・・・・よい名前です。由来は?」
「ハーヌの七叉路がちょうどあんな交わり方なのです。四年前の夏ちょうどそこを通りかかったときに、ぼくの宿命数が数え終えられて足許の敷石が反応してごとん、と鳴りました。それでその石を譲ってもらってぼくの墓石にした、というわけです」
「言われてみれば、墓碑銘みたいな鳴き声です。心臓が鐘になったみたいに痺れてまいります」
.
ずいぶん前から壁紙のうえに蝙蝠のかたちの染みがあって、見るたびに位置がちがう気がすると思っていたら、知らぬ間にどこかに消えてしまった。いつぞやわたしの肩口のあたりで見かけたような記憶があるが、ほんとうのことだったかよく思い出せない。記憶に染みがあるみたいな感じがする。
今日なにげなく壁に目をやると、歯車をななめに捺し付けたような染みがある。よくよく見るとスカートの箱襞だとわかった。わたしの記憶が染みているのだ。
.
一冊の幻想的な書物がある。
この本の表紙の紙は本としてはいささか分厚い。それをめくるとあらわれる二枚目の紙はその半分の厚さである。次の三枚目はそのまた半分。四枚目は三枚目の半分。以下同様に続く。この過程は無限に続き、この本は無限のページを持つ。しかしこの本の厚さは有限である。全ページの厚さは表紙の厚さの二倍以上にはならないからだ。
さて、この本をひっくり返して最後のページから遡って読んでみよう。するとあなたは、永遠に読み始めることになる。永遠を。
.
「もー、あんたがもたもたしてるからみんな先に行っちゃったじゃないの!」
「まだこちらの生態系に不慣れなもので・・・天候に合わせて代謝を調節」
「解説はいいから展開して!とっとと!」
「とっと」
「あら、えらくすわり心地がよくなったわね」
「あなたの臀部が取り得るあらゆる形態変化を解析しました。分泌物にも適宜対応します」
「あーら回りくどい告白ですこと」(なでなで)「しゅっぱあつ!」
.
「かれらはなにと戦っているつもりなのだろう?ここはほんとうに武器庫なのか?」
「それは確かでございます護民官殿」
「笛や太鼓や竪琴が武器になり得る敵とは、いったいなんなのだ?」
「村の長は申しておりました。『もしそれと戦わないなら、今年とおなじ来年がくる』と」
.
「警部、現場で妖精が腰掛けていた、ペンキのひびわれんとこの剥片です。ちっちゃい指紋が採れました」
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あの手のものを総称して<灰色のもこもこ>と呼ぶの。あるいは、ヌムモァ。
心のなかの未探索の領域を一般性で補填する「詰め物」よ。
光と影と遠近法があれば、あれを彫って幻想することができる。ファンタジーが単純な二元論に流れやすいのはそのせいね。色?色はあとでいいの。色は新しい力で自由だから。
.
「どうしてここに駅ができたの?死んでるはずのものも存在しそうにないものも通りすがる場所だから?」
「十一年前ここで神が死んだの」
「ふうん、ながい話になりそう」
「なりません。ちょっと死んでみただけだから。ほら、あれが神の屍骸」
.
明後日複雑な魔女(中学二年)に会うので。
「めっちゃ単純」か「魔女以上に複雑」か、どちらかのペルソナを選択せねばならないのだ。様々なシークエンスを想定してあれこれ悩む。
「おにいちゃん、ジャガイモむいといてくれない?」
「うるさい!今それどころじゃない!」
てきぱきとジャガイモむきに着手。混乱しているな。それにつけても妹の鼻唄は絶品。
.
「最後に人間と蝙蝠傘の類似点について述べてください」
「人間と蝙蝠傘の似ているところ?ですか。
そうですね、それは性本能と雨において似ています。
人間にとっても蝙蝠傘にとっても、生きているという鮮烈な実感は、死に向かっての加速度でもあります。
価値を実感するほどに古びていくこと。濡れることをよろこびと定められていること。そしてなにを濡らさないために、自分が濡れているのか知らないこと。
それが人間と蝙蝠傘が似ている理由です」
.
「ほんとうに奥深い謎というのはね、解けてしまえばもはやなにが謎だったのか分からなくなってしまうものよ。
謎を解く前のじぶんには二度と戻れない、そういう謎。
謎を見失ってしまえば、今いる場所がなにかの答えだということにも気付かない。
ここが答えならばいかなる問いを経てここへ来たのか?たとえその問いを問うことができたとしても、それもまた今のあなたのままで答えることはできない」
.
タタール人のとある氏族の男が隣の氏族を訪ねたときのこと。男は族長の家で飼われていた猫を譲って欲しいと申し出るが、族長は「これは我々とつながっている猫だからお譲りするわけにはいきません」と言って固辞する。断られた男は、隙をみてその猫を盗み出し、殺してしまう。するとその猫の氏族はばたばたと倒れ、旅先にあった者も含め、ひとり残らず死んでしまったという。
.
現代ではほとんど誰もが、自分がいかなる氏族に属するか知らずにいるし、氏族がまとまって暮らすこともない。だから増改築で柱が切られたとき柱の氏族が、保健所で犬が薬殺されたとき犬の氏族が、あるいはホットケーキミックスが溶かれ焼かれたときにホットケーキミックスの氏族が、あちこちでばたばた死んでいっても因果関係に気付く者はない。
.
「高いとこから見てるせいかな、建物が突然建ったみたいに見える」
「どちらです?」
「あーっ!見た見た?あすこ今建ったよ、ぽわって。絶対。一瞬で」
「っという間にどかどか出現し始めましたね」
「うわ、道路がドミノ倒しみたいに伸びてる。なんか眼がちかちかするよー」
「都市が一個、引っ越してくるいきおいですね。どうやら」
「無断でかよ。どこのなんて都市だ。ねじ込んだる!」
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「こうして惑乱の曠野で、夢現たちに命名師が名付けているのは固有名詞なのでしょうか?」
「夢現に個体という概念が適合するかどうか、それさえ不分明です。とりあえずひとつに見えるものは便宜上個体と呼びはしますけれども、稀におなじに見えるものが複数あらわれるとき、それは別の個体なのか、おなじものの影なのか。
以前まわるウェディングドレスの大群があらわれ、一糸乱れぬ編隊で夕陽に向かっていくのを見たことがあります。一枚の布の上の模様のように、たがいの間隔をぴったりと保ちながら、地形の起伏のうえを流れるように移動しておりました。個体差というものは、まったく見受けられなかったと記憶しております。
物質を構成する大元の原子というものは、じつはただひとつしか存在しないという説があります。時間に囚われることなく過去と未来を幾たびも往来するがゆえ、ある特定の瞬間に無数に存在するように見えるだけだと。
もしそれが本当であれば、原子という一般名詞はじつは固有名詞であることになります。
それとおなじような意味で、夢現の名前も固有名詞なのだろうと、わたくしは考えています」
「では、みずから名付けを拒む概念は、夢現のなかでもなにか特別な存在なのでしょうか?」
「あれだけは仮名なのです。ほんとうの名前のかわりではなく、ほんとうの名前である仮名として命名されたのです。つまりみずから命名を拒む名付けとして」
.
「わあ!<墓石のめざめる街角>飼ってるんだー。いーなあ。エサってなにあげんの?」
「ふつうのものだよ。向日葵の種とかわたしの爪とか」
「ふーん大きすぎない?ペットとしては」
「非パース系だからね。遠くから見れば大きくみえるけど、近くに寄ってもあまりかわんない。お散歩行く?」
「雨だよ。外」
「外じゃなくて、<墓石のめざめる街角>を、お散歩してみたい?ってこと」
「んきゃ、行く行く!ねえ、このおうちみたいな背中のとげとげって入れるの?」
「入れるよ。この子の飼い方の本、そのへんの一軒から見つけて来た」
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「神様は死んだことがなかったので、受肉してもともとの意図を隠蔽して『思いがけない死』が訪れるようにお膳立てして、死んでみたってわけ。
そのエピソードがいろいろな世界で別々の切り口で語り伝えられているのよ」
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庭から非常階段が生えてきた、と最初は思ったのだが消防署の人は「この位置では非常階段とは認められない」と言う。
人間側の事情など知らぬ気にすくすく育っていくのを見ていると、そのけなげさが不憫である。このままにはしておけないので、家内の反対を押し切り仲介業者に手間賃を払って、非常階段に恵まれない夫婦に引き取ってもらった。
ある晩、旅行の夢をみてホテルの上階で煙に巻かれた。どこからか私を呼ぶ声が聞こえ、すがる思いで声のほうへ声のほうへ向かうと「恩返しに参りました」とくだんの階段が。
翌朝の食卓で「これでホテル火災にあっても安心だぞ」と昨夜の夢見を披露すると、家内は非常階段をどこまでも下りてゆくような目つきを、私と合わせない。
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【叙景集】
レーレンドールが、リリエローワの夢の巫女リリエルをかどわかして得た「間隙の彼方なる地の知」と、アイトールウイスス『基底的記憶』のうち比較的意味の通る部分の抜粋、それに「書を守る者」の書庫を渉猟して収集した断片などを乱雑に配列した書物。
レーレンドールの生前(死んでいるかどうか定かではないが)の言によれば、そもそも公刊する意図はなく「装置として制作した」ものだという。
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落ちてくる光が地面につく前に、思い出したことのない思い出をひとつ思い出してください。そうすれば光はまた、その記憶の場所に帰っていきます。大丈夫、雪よりもずっとゆっくり落ちてきますから。
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_ 行き止まりかなと思ったが、舗装路がどん詰まったところから直角に細い路地が伸びている。湿った路地を抜けて陽射しの下に出ると、にぎやかに呼び交わす子どもたちの声が聞こえてくる。家並みの向こうに小学校が見えて、あそこだろうなと見当を付けてみたが正門の前までくると校庭には人っ子一人いない。とまどいながら見回すと、この道の末端、大きな通りにつながるところをぞろぞろと子どもたちが渡っている。おとなの女の張り上げた声は先生の先導だろう。後続を眼で追うと、校庭の金網の向こうにどこまでも続く子どもたちの河がざわざわと流れている。
子どもの群れは、色数が多くて彩度も高い。眼にも耳にもにぎやかだ。
この河の水源はどこで、どんなふうに屈折して、どんな海に流れつくのだろうね。
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