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雪雪/醒めてみれば空耳

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2016-03-05 奇跡についての奇跡

_ コメントをありがとうございます。

反応したく、そして反応しなければならないコメントがありますが、書いたり考えたりすることに心を振り向けると、まるで溝にはまるように特定の理路に入り込んでしまって、考えるつもりだったことを考えていないことに気付きます。

いちばん考えたいこと以外のことを考えると、その考えは持続しないで、いちばん考えたいことの方角の路地に曲がってしまいます。

もっとも話したい話題について、さいきんは身近に話し相手がいないので、全力疾走でおしゃべりしたいなあ。

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誰もが人類語を使っているので、おなじ限界に束縛されていて、語りうることのぎりぎりを語るときも、語りうることの向こう側を語るときも、語りうることの彼方を語るときも、言表上はおなじような言葉を語ることになってしまう。

反面、きちんと言語のルールに従っていてさえ、歴史上いちども書かれたことのない配列で書くことが、誰でも容易にできる。

いま僕がここに書いているこの発言も、たとえありふれて聞こえても厳密には史上初の発言です。

物質はもう長いこと同じことばかり繰り返していて、だからこそ科学も可能なのですが、生命は繰り返すことのできない一回性の出来事ばかり生産しています。

とはいえ、この一回性にも程度問題があって、一回性の中にも、ありふれた一回性と際立って一回的な一回性がある。

ふつうの奇跡と奇跡的な奇跡。そして奇跡的な奇跡の中の奇跡。

けれどもしかしやはり、いかにありふれて見える奇跡もすべて、宇宙の全歴史の中で、たった一度しか起こらない、のであるが。

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そして生命は無数にいるけど、自分が奇跡であることを知り、奇跡を経験することのできる生命はごく限られている。

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本日のコメント(全2件) [コメントを入れる]

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2016-03-21 ナナロク社って何人いるのかな?

_ 鹿子裕文『へろへろ』(ナナロク社)は、心が弾むような読書体験であった。なんにもないところから、ちょっと夢みたいにファンタスティックな高齢者介護施設ができあがっていくまでのノンフィクション。

鹿子氏は人物を魅力的に描くこと天下一品である。すてきな人がいっぱい出てくる。ぼくは、とある女性の初登場シーンにぐっときてしまって何度も読み返し、その後もその人の登場を心待ちにしながら読み進んでいったのだが、いきなり「入籍した」という記述が出てきて凍りついた。ショックを受けている自分にびっくり。そうだ、例のあの気分。手遅れになってから好きだったことに気付く、というあれだ。

数限りない本を読んできたが、本の登場人物に恋愛感情を抱いたのははじめてだなあ。

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ナナロク社はほんとうにいい仕事をしてくれるのだが、買切の地方小出版流通センター扱いなのでおよび腰になっていた。『へろへろ』積みたいんだよなあ、という話をすると、同僚のSさんから「うちはいつでも入帳します」って言ってたよ、という情報。そういうことなら一転やぶさかでなくなります。

『へろへろ』だけでなく、舞城王太郎の『深夜百太郎』(『入口』と『出口』で50編ずつの掌編怪談が二巻揃えば百物語を構成する)とか、近藤聡乃、岩崎航、若松英輔、クリハラタカシあたりも嬉々として仕入れた。

ナナロクでいちばん知られた刊本は、川島小鳥『未来ちゃん』であろう。あのあかいほっぺの女の子が表紙の写真集である。

その川島小鳥の木村伊兵衛賞受賞作『明星』も、今回はじめて現物を見た。うはー、なんだこれ。前代未聞の造本ですよ。まだ知らない人のたのしみを奪わないよう詳細は記さないが、その造本の理由もふるっています。

あとな、谷川俊太郎/山田馨『ぼくはこうやって詩を書いてきた』にも驚いて、これは即刻購ってしまったのだが、時間がないのでこの本のなにがびっくりなのかは日をあらためて。

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コメントもいただいているし書きたいことも書かねばならないこともいっぱいあるのだが。うぐうぐ。

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本日のコメント(全35件) [コメントを入れる]

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