_ じぶんが振り向くのに逆らって
右眼と左眼がすれちがって
理性と感情が
ふたつの
魚群のように融合していくとき
論理は欲望の背中を
愛は弁証のうなじを
見送る
.
眼元に面影がある
.
吹き払われる息の白みのように
面影はたなびき
首っ玉にぐるりと巻きついた顎の後を追う耳の
ひだひだに寄り添う
.
音は
鼓膜に追いつけないで
ずるずると
頬を
ずり落ちる
.
音が上げる
悲鳴もやはり
音
音は
音とともに
遠ざかる
_ 最後の審判の後の永遠の天国で、
善人たちが安逸に暮らしてゆくためのエネルギーを、
当然ながら地獄の悪人たちが際限なく供給している(でなければ誰が?)。
永遠に革命のない階級社会。
.
そのような天国で心安らかに暮らしていける人は善人ではないと思う。
そのような天国を差し出した神様は善神ではないと思う。
_ なにげなく日々を送っていれば必然的に守ってしまうような約束を除いて、ぼくはできるだけ約束をしない。
約束は、人生を飼おうとすることだと思う。
.
なにげなくできることならば約束できる。約束しようがしまいが、それをするから。
ところが、なにげないつもりでした約束がなぜか果たせないときがあって、そこが人生のおもしろいところで、そういうときはたいてい、自分が自分に対してなにか隠し事をしている徴候だから、いろいろと詮索するたのしみが生まれる。
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自分の言うことは話半分で聞いておくのが無難だというのは、経験的に真理なので、それもまた話半分である。
ぼくは自分を信頼していない。ということはそう判断する自分の判断力は信頼しているわけだから、結局自分を信頼しているのと大差ないような。
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ぼくは自分を裏切らない。自分と約束しないから。「ぼくは約束をしない」という約束もしない。
ゆえに、ごくまれに無理な約束を、自分や誰かとしてしまうこともある。それはそれでいい。たまに無理をするために生まれてきたのだから。
_ Chynna [Thank God! Someone with brains sepkas!]