_ おなじ道を何度も通る
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通られるほうの身になって
ひたひたする
足裏の
字数をかぞえる
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時間は
経過することにしか関心がなく
数え終わって脇に置いた
足跡は
さらわれて
歩まずに去る
.
記憶だけが
過去から
時間よりも速く追いついてくるけれど
いきおいで
私をも抜き去って
未来へ落ちてゆく分は
すれちがう
一瞬しか
思い出すひまがない
.
未来で
立ち止まって
待っていてくれる
記憶は
もはや
記憶ではない
_ 私は高いところが好きだ。ちいさい頃から、高いところに登るのが好きで、ふとした拍子に死ぬところでした。高いものを見つけると、無意識に「登り方」を検討してしまいます。たいていの建物は雨樋づたいに登っていけたものですが、最近は雨樋が外側に露出していないので難しくなりました。
大学生の頃は、登る事が想定されていなかったり施錠封印されていたりして容易に登れない図書館や大学院棟の屋上、建設中の管理棟の鉄骨の枠組、あるいは学内でいちばん大きな講堂の屋根によく登っていました。大学は小高い丘の上にあったので、遠くの海まで一望です。水平線のすこし向こうにいる船も見えます。講堂のてっぺんのモニュメントに名前を書いてきたら、大きく書き過ぎて、キャンパスから黒い点々が見えるので、在学中は気づかれないようどきどきしていました。
自分の立脚点から、架空の立脚面を想定したとき、その平面がほとんど空中を通ってゆくような場所、平面の下に空間が多い場所が好きみたいです。限りなく透明で水底まで光が届く岸壁の際に立っているときの水面のように、平面を思い浮かべるのです。
知人の表情や日々の出来事や読んでいる本のなかにも高いところを探してしまいます。高いところを見つけると、嬉々として登ってしまう。高いところでは興奮しているので「わー、すごいけしき」としか言えませんから、下りてきてから地に足をつけて考えます。
地に足をつけて考えているとき、通い慣れたさして心を奪うものもない町内を歩いているときなどですが、ふと立脚面を想定してみると、平面は果てしない虚空に広がっていることに気づきます。地球が丸いからです。
水面下ぎりぎりに地球を浮かべた、宇宙の大きさの湖。
細い塀の上を歩いていくと、2ミリほどの重機が三台、工事中だったがまたいで通る。
工事に反対する小規模な住民運動が起こっているらしい。でも苔か黴にしか見えない。臭いはたしかに人間ですけれど。
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ここには遠足の前日空想された晴天だけが集められている。
希望的な遠足に出発すると、35人のクラスには気に入った人しかいないので、おなじ人が何人もいる。おなじ組み合わせのカップルがいくつもできる。ちがう組み合わせもすこし。
バス遠足なので、目的地はバスだ。バスに着くとみな行儀よく乗り込み、走り出したバスはやがて学校に着き現地解散になる。
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同級生だった妻に付き添って病院に行くとき、妻が「あ、このバスむかし遠足で来たことがあるね」と言う。珍しく晴れた日に。
どのバスも走行中は窓外を風景が流れる。流れが穏やかになり風景が止まるあたりで、バスも停まる。考えだけが止まることができずに慣性によって二人ぶん並んで受付のカウンターまで行き着いて、ぼくと妻の姿のほうに振り向く。
_ すんごく嫌いだというその強度が、好かれたいという欲望の深度だったり
正しいと信じている程度が、まちがいである可能性の指標だったり
認識することが困難過ぎて、かえってくっきり記憶に残ったり
恐怖や不安や絶望が、幸福感の支えだったり
分析が可能になったとき、理解が不能になったり
静止・沈黙・透明が、最大の運動性への初期条件だったり
あらかじめ奪われていることが、獲得への臨界だったり
わからなさが露骨であるために、わかる場合より情報量が多かったり
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それからそれから
八方塞がりになった場合だけ有効な突破口とか
実感を追究すると捉えどころがなくなるとか
答えを忘却することによって、はじめて問うことができるとか
限界を悟ることじたいが、限界を超える端緒であるとか
好奇心が湧いてこないこと、その「湧いてこなさ」に興味をそそられるとか
才能がないときにだけ、到達できる神髄とか
説得力が抗い難く強硬であるほど、懐疑のための位置エネルギーが培われるとか
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あるいは
想起がすなわち忘却であって
忘却がすなわち保存であって
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さもなくば
完璧であるものにはひとつの長所もない、みたいな
_ その人は自分のことを汚いと言う。ほんとにきったなそうに言う。
「うん、汚いね」と答えると泣く。ふしぎだ。
自分の汚さに傷付く人というのは、本来きれいな生地に汚れが付いてると思ってるのかな。
それとも汚く生まれてしまったことが不満なのかな。
ぼくは生まれつき汚いので、自分が汚いという当然で自然なことには悩まない。
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生まれつききれいな人が、きれいなことをやっても別にふつうのことだ。
生まれつき汚い人が、汚いことをやっても別にふつうのことだ。
生まれつき汚い人が、きれいなことを選び取ってやったら、それはかっこいいと思う。人間のするきれいなことは、ほとんどそれだ。だから、きれいなことはたいていかっこいい。
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気まぐれでない偽善は、善より偉大だ。
ただし善は、稀少で貴重ではある。
Before...
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