_ ぼくはどうも半身しか生きていない感じです。残りの半身は、人生とは関係ない場所にあって、そこでなにをしているのか対半身には伝えません。伝える気がないのではなくて、今のところ伝えようがないのでしょう。
人生の側では、どうしてこんな当たり前のことができないのか、しばしばそんなふうに言われます。できないはずがないだろう、と言われます。
人生を甘く見て、常識を軽く見ているのだろう、忠告としてそう言ってくれた人がいました。
甘くないし軽くもありません。
おそらく、こちらの半身が雪雪の人生を大切に思うよりもっと強く、死んでいる方の半身はなにかを、大切に思っているのだと思います。
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しなければ、と思うことは容易にできず、してしまったことはしてしまった後で、これがしたかったことなのだと分かります。見通しがなくて困ります。
これがいつまで続くものなのか、ぜんぜん分からない。
ぼくの生きている半身が、どうかして、持ち応えられるように、祈ります。
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人と人が対話を交わすとき、言葉だけが遣り取りされているわけではなくて、表情や仕草や気配、そして記憶が、互いに触れ合い、対話に介入し、ときには対話とは関わりのない次元で影響を与え合っています。
本と読者のあいだにもそういう次元があって、字面から読み取れる以上のものを知らず読ませられている。そういう力を、ことに豊饒に秘めた本があります。
ずっと後になって、なにかのきっかけで、受けた覚えのない印象が蘇り、しかしそのときには、なにがそれをぼくの心に残してくれたのか、分からなくなっていたりもするけれど。
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初めて読む本を読んでいるのに、前に読んだときよりずっとよく分かる。そういう印象を抱くことがあります。以前似たようなものに出会ったときの、捉え難さが体に残っていて、解けなかった過去の謎が遠くで、いま解かれゆく感触があるのでしょう。
レアード・ハントの『インディアナ・インディアナ』を読んでいるとき、幾度も想い出されてくる人がありました。
そして、初めて読むのに「前に読んだときよりずっとよく分かる」と思いました。
その人を理解しようとする努力が、いつの間にか『インディアナ・インディアナ』の近くにぼくを、運んでおいてくれたのだと思います。
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その人とはもう会うことはできないけれど、ひょんなことから知らなかったその人に出会う。
これからもきっと。
たとえば、またいつか、『インディアナ・インディアナ』を読み返すときなどに。
なにか謎が解かれゆくとき、心の中の見えない場所で、別の謎が共に解かれゆくようにして。
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初めて会った人に、ああ以前誰かに出会ったとき、この人にもすこし出会っていたのだな、と思うことがあります。そういうときは、初対面なのに、すでにいろいろなことを知っている気がします。
_ 今は、携帯でしかネットに繋がっていないので、せめて辛うじてメールで繋がっている人達には、携帯のアドレスを伝えなければならないのですが、そんな他愛ない日常のことごとが、手につきません。
自由意志という言葉に郷愁を感じます。引越の疲れは取れましたが、心にも体にも疲れが残っています。この疲れはどうやら、回復しないようです。
この疲れは、持っている力を今、すべて費い尽くしてもいいと思った祈りの、三度目のときから、去ることがなくなりました。もう変わらなくていい考えのように。
この疲れのおかげで、ぼくの力は半分になってしまった気がしますが、これは怠惰で無能であることの言い訳ではなくて、むしろこの疲れこそがぼくの感覚を鋭く絞り、知性と理性を保持してくれている。
将来を期待させる疲労であり、希望的な難点です。
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ひどく陰鬱であり、この上なく明朗です。両立しない本音がいくつも並び立って、まるで本音がないみたいです。
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二階堂奥歯は、ほんとうにほっぺたをぷうと膨らませて、ぷんぷんと音が聴こえるように怒る人でした。
面と向かって話し込んでいるとき、「雪雪さん、今わたしの目の前にいませんでしたね」、そう言って怒り出すのです。
「ごめんごめん、よくわかったね」
「失礼です!」
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ぼくはときどきぼくの目の前にいません。
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降り止もうとしない雨が降り止もうとすればいつでも、降り止めると思いながら降り止まずにいる。
降り飽きてうつらうつら、していたかと思うとはっとして顔を上げる拍子に弱まった雨脚が、たたらを踏んでよろめき、雨は、雨雲ごと倒れてゆく。
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_ 元太田出版の長至巳さんは、編集のセンスを持った営業マンで、人間関係まで編集する。
長さんなくしてぼくの人生は語れない、というのは大袈裟ではなくて、長さんが繋ぎ引き合わせてくれた人間関係がなかったら、ぼくの人生は袋小路に入り込んで、今頃は身動きがとれなくなっていたのではないかと思う。
長さんはぼくを誰かに紹介するときには「天才書店員です」と言ってくれるので、掴みは最高だったけれども、書店員としての総合力、という文脈で語るときにはぼくの名前を挙げることはなかったから、鑑識眼は確かだ。ぼくはどう転んでも書店店長とか書店経営者の器ではないので。
その鋭敏な眼力で、遠くを見るように近くを見詰めているから、長さんと話していると、どんどんやる気が出てしまうのでした。
筋金入りのロマンティスト。地球上にロマンティックなものはたくさんあるが、ロマンティックになれるのは人間だけであって、人間がロマンを失ってしまえば世界からロマンはなくなってしまう、ということを知り抜いている人。長さんは、長さんなりの仕方で、物語を守る者なのだ。
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ぼくはいつも、太田出版の本に関しては習慣的にチェックして、できるだけ棚に置くようにしていたし、なにか仕掛けるチャンスをいつも探していた。
長さんが太田出版にいたからこそそうしていたのである。太田出版が強くなれば、長さんの力が発揮される機会も増えるだろうと思うからだ。長さんの周囲で芽吹く可能性の芽が、すくすく育って欲しいからだ。
そして、確信を持って言うのだが、そういう書店員は、日本中にたくさんいたはずだ。
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社長交代を機に、太田出版は社是も社風も変わってしまったんではないかなあ、という予断は、刊本を眺めていて抱いたことだったが、この春で長さんが太田を辞めることになったと聞いたときには、びっくりはしたけれども、やっぱりか、とも思った。
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長さんはメディアファクトリーに移籍されることになった。
ぼくなんぞが祈らなくても、どうせまた活躍されるに決まっているけれども、ぼくとしては、メディアファクトリーの品揃えと仕掛けに、せっせと手をかけることなるだろうし、あちこちで互いに面識があったりなかったりする書店員たちが、そのようにするだろう。長さんを応援するために。
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ぼくにとっては太田出版の長さんというより、長さんの太田出版だったし、これからは長さんのメディアファクトリー、というわけである。
おめでとうメディアファクトリー。
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(もちろんこれからも、太田出版からすてきな本が出たら、その本はプッシュしていきます)
◆露のように透明な丘◆
本を読んでいると話しかけてくる癖がある。
「美術教室に移る途中の廊下で、コンタクト落として困っていたときにね、通りかかった伊藤と暮葉とアイリンと戸田先生、それに窓から舞い込んできた名前も知らない蝶々が探すのを手伝ってくれたの」視線が絡む。
「それがそのときのコンタクト?」「蝶々がみつけてくれたんだー」ほあんと欠伸して寝転ぶ。
すうっと眠り込んだ恋人の寝息、聞きながら薄い詩集を開く。詩と彼女とぼくの、息が合ってくる。雲の影が丘を滑り降りる。
寝息の拍子が乱れ彼女の前髪にふわり降りた蝶々、ひとしきり額をうろついて、ふっくらした瞼の上にしっくり落ち着く。ぼくも眠気を催しうつらうつらして、夢の中から伸びてきた恋人の手を取る。詩集は木陰にそっと置いて、連れ立って蝶々の夢に滑り込む。
そこにからっぽの空間はない。風は、蝶々にとって柔らかい地形だから。ぼくらも繋いだ手を離して、宙空の丘を這い降りる。
人は一人では人々ではないが、蝶は一羽でも蝶々。蝶々の夢は意外に広くて色が変。
「その節はありがとー」「なにか手伝えることがあるかぁぁい」
告白したい? コンタクトに?
_ ぼくは、本よりずっとたくさんCDを買う。本を百冊買うあいだに三百枚買う勘定だ。
音楽はとても好きなのだが、2003年4月3日に書いたように、できるだけ誰の何という曲なのか分からないようにして聴いているので、キャリアの割に音楽に関する知識はあんまり増えない。
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音楽ソフトは、掃いて捨てるほど莫大に出ているので、中古屋で捨て値になっているもの中心に買い集めても、好きな曲にたくさん出会うことができる。
たまらなく好きで、何度聴いても飽きない曲が千曲はあるが、そのほとんどは、曲名を言えない。
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音楽の好みは世評に合わない。名前と曲が一致するアーティストのベストアルバムには、たいてい一番好きな曲が入っていない。神様のように扱われている人の、名盤と言われているものを聴いてみても、ほぼ間違いなく退屈する。センスがないのだと思う。これだけ聴いても、耳が磨かれてこないのだから。
音楽の評論を読んで、おもしろいと思うことはあるが、それは文章としておもしろいのであって、自分の音楽観を左右されたりしない。
そういうわけで音楽については、あまり語らないようにしている。自分の耳が聴いているものが「音楽」なのかどうか、自信がないので。
本の趣味が合う人には出会ったことがあるが、音楽の趣味が合う人にはまだ出会ったことがない。
_ 新しい電気カミソリを買った。インベーダーの侵略母船みたいにかっこいい。髭たちもわーいわーいと歓声を上げて剃られていくが、イントネーションが平板なところが気になる。ほんとうは嬉しくないのだろうか。そうならそうと言ってくれればいいんだよ、と思うが、そう言われてもやはり剃るしかないのだと思い至って、仏心と顔を見合わせると、仏心にも髭がない。
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◆蟻門◆
蟻の脳には、蟻の眺める世界が図像となってあらわれる。
蟻は、一度踏査した地面の様子をこまやかに記憶しているが、地面が掻き乱されて記憶と整合しない夜には、星座を見上げ星の配位を参照して方角を調整する。
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河馬とは知らず河馬の膚の地図を這う黒蟻が、夜空を見上げているとき、不意に河馬が歩き出す。変わるはずのない蟻の世界観が変わり、微小な門が開かれる。
蟻を通って、ひとりの魔法使いが河馬の背に降り立つ。のんびり河馬に運ばれながら、仰ぐ夜空は見慣れない星座ではあるが一度見た。さっき蟻の中で。
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その世界でも働き蟻は子孫を残さないが、一瞬の蟻の哲学はその後、ひとりの魔法使いに発して世界の境を越え、いくつかの文明に永く伝承された。
数え切れない人々が蟻のみない夢を、蟻のかわりにみた。そして蟻の持っていない手段で、かたちにした。
ときには蟻の夢とは知らぬまま蟻が、そのかたちの上を歩いた。
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