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雪雪/醒めてみれば空耳

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2006-10-01 懐かしのサルコヴィー。大きくなったら毒匠になりたい。

_ ブックオフ泉松森店にジャック・ヴァンスの『魔王子』シリーズ全五巻のうち三巻以外の四冊が105円で並んでおりました! 持っているけど布教用に買おうか迷うが、育成したいSF者が身近にいないのです。見送り。

主筋以外のアイディアがてんこ盛りで、重箱の隅を読ませるSFは基本的に好きだが、ヴァーチャルだのナノテクだのでファンタジィと境い目のない風景を描出してみせる流行りもんとはひと味もふた味も違い、ヴァンスの場合、てんこに盛られるアイディアは文化人類学風味。エキゾティックな習俗芸能服飾料理建造物事蹟へんな団体奇妙な職業。現実にはクソの役にも立たない脚注がまた美味しくて涎が出るよう。『魔王子』は風物がきらびやかなヴァンス作品中でも特に風光迷媚な、観光SFの傑作群だ。サルコヴィー、コーランヌ、ボニフェース、オリフェーン、ポンテフラクト、グッフナルメン、オオヒュルカン、マウントプレザント、セイルメーカービーチ、ファンタミック・フリッターウィング。こういったいかにもな固有名詞のひびきもヴァンスの魅力。ちなみに各巻一話完結式なので、三巻を飛ばしても読めます。

まだ売っているかなあ。いずれにしても背取りさんが巡回して、すぐに捕獲されてしまうだろうが。

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さそうあきらが触発されて、連載一本立ち上げたという「少女カメラ」を読みたくて、すぎむらしんいちの短編集『スノウブラインド』(講談社)に手を出す。「少女カメラ」は、あー読んだ記憶あるわ。両腰に手を当てて「わたしを名作と呼べ!」と言う貫禄の幻聴が聞こえ、「やです」と言いたくなる傑作。

「パパが地球人を辞めた日」がいい。再読三読するほどに味が出る。いろんな味があちこちから。

巻末の初出一覧を見ると、線の進化と初出年代が一致しない。いくつかの作品は全面的に手を入れているのか。

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倉島圭『24のひとみ①』(秋田書店)でとっても笑う。ほとんど純粋な論理学ギャグだ。設定が許容する展開の振り幅が異様に狭い。これでいつまでネタが続くのか。必要以上のデッサン力で描破される、ひとみ先生の姿勢の良さ、骨格の美しさも見処。しみじみと見惚れてしまう。斜め俯瞰の決め構図は、キャラ視点で右向きしかないことは責めない。右利きなのだろう。

併録の「メグミックス」は、すがすがしいほどに純粋なシモネタがベルトコンベアの上の部品のように流れてゆく。これでいつまでネタが続くのか。

坦々と操業を続けて欲しい。

施川ユウキの『サナギさん』もあるから、今はチャンピオンの天下だ。個人的に。


2006-10-02 桜庭一樹でひと安心

_ 近くに大きなTUTAYAがある。『東京タワー』でブレイクする前はリリー・フランキーが海外作家の棚にあったり、今もカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』が国内作家の棚にあったりしてとっても頼りないのだが、なんといっても午前二時まで開いているから夜中に誰かのレヴューを読んでうずうずしてしまった本をチェックしに走ることもできるところが至便である。

あひるさんの「グレフルbook」で桜庭一樹『少女七竈と七人の可愛そうな大人』の評を読んでまたもや走ったりして。

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十数年前、「こんな本が読みたい!」という曰く言い難い欲望が胚胎し、自分で書けないものかと思ったがそれは無理で、無理だからやはりこれこれこのような本とも言い難く、こんな本こんな本と探し続けていたのだが、これがそれだった。桜庭一樹はたいへん良い評判を聞いていましたが、これまで手を出していなくて申し訳ありません。冒頭から文体によってにじり出されるようにたとえば「旭川市役所」というなんでもない言葉がきらめいています。前からこんなに凄かったのでしょうか。あひるさんによるとこれで「化けた」ということのようですが。

「こんな本」が現存すると分かってもう安心なので、棚に戻して帰宅する。読むと超短編が百編くらい書けそうな本でした。いつか読む機会があったら感想を書くと思います。

余談ですが「あんな本」や「そんな本」や「どんな本」も継続して探しています。

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2006-10-05 陥落までは十八年

_ 保坂和志の『小説の自由』は何回も読んだ。いちいち通読するわけではなくて適当なところを開いて読んでいると、書きたくなるか他の本を読みたくなるかもっと別のことをしたくなってくるからそれまで読む。保坂和志の小説よりもおもしろく、とは言ってもこの本じたい筋立てや登場人物や背景設定のない小説のようなもので、つまりは飽きる要素を払い落とした小説だから飽きない。飽きないのだからいつまでもこれを読んでいればいいものを、続きである『小説の誕生』が出たとあれば早く読みたいすぐ読みたい。それが欲望。そういうわけで街に行った。

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二日に言及した桜庭一樹『少女七竈と七人の可愛そうな大人』が平積になっていたのでもう少し立読みする。後のほうでは、冒頭掴み取っていた文体の境位から後退しているように思う。冒頭部の骨格はきっと、種子になるフレーズか着想から勢いで仕立て上げたのだろう。得難い傑作という印象に変わりはない。

『小説の誕生』を買う。厚くなっている。うれしい。

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うろうろしているうちに谷川俊太郎『はだか』(筑摩書房)を見かけてしまう。

しまった。

これはいつ見てもすばらしい詩集で、よほど本が好きな人の中にも、この本こそが宝物と思っている人が少なからずいるんじゃないかと思う。

全編ひらがな。こども視点。むずかしい言葉もひねった言い回しもなく、ありふれたことしか書かれていない。考えたこともなかった斬新な発想や思索に不意を突かれるのではなくて、常々思い及ぶことばかりなのに、はっとする。なんではっとするのだ俺よ。内容が新鮮なのではなく、はっとしかたが新鮮だ。前にも読んでいるのに、やっぱりはっとするのである。

想いに任せたこどもごころの発露、という外見だがむしろ、技巧を凝らし切った、言葉を選び切った詩集だと思う。それだけに選び損なったなあと思わせる言葉の浮き方(「ぱんてぃ」とか)は尋常ではないが、それも愛嬌。

収められたどの詩の題材であっても、誰でも詩が書けるだろう。使われている言葉も言い回しも、誰でも使えるだろう。しかしおなじには書けない。

1988年刊で28刷。現代詩文庫あたりに入らないかなあと思いつつ、長いあいだ迷ったことになるが、とうとう踏ん切った。最近あちこちのブログでこの詩集の詩が引用されているのを見ていて、この詩集はでかい活字のゆったりした字組で読まないとちょっと力が落ちると感じていたからでもあるし、この本じゃなきゃ駄目! とまでは思っていなかったのが齢をとるごとに、やっぱ他の本では駄目みたいだなあと思われてきたからでもある。

絶賛しているがその実、『はだか』に匹敵するくらいすばらしい詩集はたくさんあるのであって、この本はむしろ超短編集としてみた場合に、より卓越した名作だと思う。

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自転車で帰りがけに横断歩道をよぎったとき、歩道で信号待ちしていた伊坂幸太郎さんと一瞬目が合う。知り合いではないので目が合っただけ。

そういえば、映画『アヒルと鴨のコインロッカー』の書店シーンは、ブックスなにわ塩釜店で撮ったらしい。かつての同僚も出演し、セリフがついた人もいるようである。

ロケハンに来たスタッフの言によると「大き過ぎず小さ過ぎず、背景に高い建物がなくて、夜は周囲が真っ暗になり、裏口らしい裏口がある」という条件を満たす店舗がなかなかなくて、塩釜店を見たとき「ここだ!」と思ったそうである。裏は海だからね。夜はそりゃもう真っ暗です。

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_ Lana [『小説の自由』私も持ってます! 随分前に買ったのですが、まだ最後まで読めていません。 続編が出てるんですか? 最近読..]

_ 雪雪 [持ってますか! 『小説の自由』は小説を自由にしてあげるので、書く人や読む人は不自由になっちゃいます。 一筋縄でいかな..]


2006-10-08

_ 二日間降り続いた雨が上がり、強い風だけが残った。

公園を取り囲む樹々が酔っ払ったように揺れ騒ぐ。道路の向こうの空地で、資材を被っていたカーキ色のビニールシートがはがれて、金網から身を乗り出し水平にはためいている。舗道に並んだ放置自転車がぜんぶ倒れている。

_ 空が宇宙に沁みるくらい青い。

あらゆる日の空を見たわけではないが、仙台でこれほど美しい色の空を見たのは、東北福祉大の敷地をめぐる急坂をおりていたとき、およそ二十五年前のこと。

_ あまりにも速く雲が流れていくので、一日が早く終わってしまいそうだ。

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_ なな [こんんちは 奥歯さんのホームページをみてここに辿り着きました 日記に雪雪さんの名前があったので検索してみたらここでし..]

_ 雪雪 [☆ななさんはじめまして。 安心いただき、好きになっていただき安心しました。知らないでいた場所からこんなふうに反応して..]

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2006-10-18 叙景集

_ 787

誰がする昔の夢の話も、昨夜夢にみた覚えがある。

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_ 788

湖は川に、海への質問を託し、答えはやがて雨となって山に降る。

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_ 789

白昼、みえない流星のにおいを嗅ぎつける。

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_ 790

神経もないくせに痛みについて訊きたがる花に、出会わない回り道をする。

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_ 791

頬の上を歩いているとき突然の笑窪に落ちる。

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_ 792

迷子を見つけてくれた人から一割要求される。

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_ 793

取り込み忘れた洗濯物を取り込んでいると、手話する本が掌で、ぺたぺたと歩いてゆく姿が街灯をよぎる。

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2006-10-19 叙景集

_ 794

言霊の足跡に残る体温を暗視鏡で追尾してゆくと、脳の中の、曲がり方を知らない曲がり角を曲がっていった。足跡が冷めるまでに歩幅は憶えた。

歩調を験す。ハミングしながら、何度も何度も。

あやうく曲がれそうになったと思うと、曲がり角のほうが私を曲がってくる。「狭いな」と呟く芯だけが熱くて、表面はほんのりとぬくい。

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_ 795

「私か姉を選んでほしいのよ」

「選ばないとだめなわけ?」

「好きなほうを選んでほしいの」

「好きなように選べって意味? それともどっちを好きになるか決めろということ?」

「どっちでもいいの。好きなほうを選んで」

「それは選択権の押し付けで」

「選択することに選択の余地はないの」

「『いやです』と言ったら?」

「それを私の名前にするわ」

「いやです」

「はい」

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2006-10-22 自分からは名乗ったりしない川守たち

_ 米澤穂信のキャラ。分不相応に知的な会話に心を砕き、やたらひけらかす度を越して専門的な知識とはアンバランスに妙なところで子供なりに無知だったりするキャラたちが、人工的でどうも受け付けない。そういう人がいるみたいだが、ぼく自身がそういうキャラの青少年だったので、その辺まったく抵抗がない。リアルである。青春なる時代には、思い出すだに「ぐぎゃっ!」とか言って布団から跳ね起きてしまうような恥ずかしい台詞を、たくさん言い残してしまった。そもそもいまだにそういうキャラから脱却できていない惧れがある。

ぼくはすさまじく気障なことを言っても言葉負けしない人を尊敬してしまう。そればかりか、どうかしてそういうものに、私もなりたい。

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あちこちのレヴューで、米澤穂信『ボトルネック』(角川書店)に対して献上されている、「重い」「暗い」「衝撃」「絶望感」といった文字に、誘蛾灯を見留めた蛾のようにふらふらと誘われてしまい、読んだ。

主人公である弟とその姉。暗と明の鏡像のように、ふたつの人生が対照的に浮かび上がる。弟はその落差に苛まれてゆく。確かに暗い。しかしぼくは、絶望的というよりむしろ希望的な物語という印象を抱いた。

コントラストを強調したふたつの人生を遠望して思うのは、そのあいだにある無数の選択肢の可能性である。およそ誰の人生であれ、恣意的に補助線を引き的確に切り分ければ、喜劇としても悲劇としても、あるいは英雄譚としても描き出すことができるだろう。ぼく自身の人生からも、弟のような物語を切り出すこともできるし、姉のような物語を彫り出すこともできる。この物語も、鉄の枷で締め上げるような筋立ての印象にも関わらず、多元的な読みを許容する豊かな物語だと思う(そういえば、唐突に現れる「川守」という不可思議な少年は、「川」が「時の流れの多様な分岐」を象徴するとすれば、因果の繋がりを俯瞰的に見守る存在のひとりなのだろうか)。

人生は気の持ちようで、解釈次第だから何事も前向きに受け止め前向きに生きるべきだ、というような、ポジティヴシンキングを唱導したいわけではない。ぼくはおなじ出来事に対して、楽観に尽きるでもなく悲観に終わるでもなく、楽観もして悲観もして、その振り幅にある柔軟さを保ちたいと思う。

たとえば『ボトルネック』について、もっと暗く考えてみることもできる。この物語では、弟が、「姉が生まれ自分が生まれなかった世界」に送られるのであるが、それが逆だったら? つまり姉が、「弟が生まれ自分が生まれなかった世界」に送り込まれたとしたら、もっと悲痛な物語を紡ぎ出すことができるだろう。

あるいはもっと明るいことを考えてみるなら、可能性を縛り付ける「ボトルネック」が、たとえばひとりの人物に集束するのであれば、そのひとりの変化によって、事態は変わる。これはごく与し易い状況である。主人公の人生はもはや取り返しがつかないが、人は誰しもなにかをしたことやしなかったことで取り返しのつかないことをしでかしているのであって、主人公は懇切丁寧にそれに気付かされただけのことだ。人は気付かないことに関しては気にしない傾向がある。自分がどんなにどうしようもない奴か、気付かされたら絶望するのであれば、あらかじめ絶望しておくにしくはない。どうせどうしようもないのだから。解釈のしようによっては誰でも。

取り返しのつかない事態を回避するためには、その事態に切迫して出会う前に、自分にとってまだ、さして切迫しているわけではない事態について、あらかじめ学んでおかなければならない。それが世の中に物語などというものが存在する意義のひとつでもある。

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『ボトルネック』を読む前に、同じ作者の『さよなら妖精』(創元推理文庫)を読んでいた。『ボトルネック』を読み終えて、マイクル・ドリスの『朝の少女』(新潮文庫)が思い出されて仕方なかったのは、そのせいだと思う。『さよなら妖精』が、『ボトルネック』と『朝の少女』を繋いでくれたのだ。

この三編は、異なった場と様相の「ボトルネック」についての物語だと云える(ここで云う「ボトルネック」とは、良きにつけ悪しきにつけ、広い可能性を縊り、未来を狭く絞り込んでしまうような事態のことである)。近い時期に読んだせいもあって、印象が反響しあっている。

ぼくにとっては『ボトルネック』より『さよなら妖精』のほうが苦く、『さよなら妖精』よりも『朝の少女』に眼を瞠った。

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『朝の少女』は品切になっているけれども、古本屋ではよく見かける。入手は容易だと思う。

南の島で自然と和しつつ暮らす家族の物語。ここはあえて紋切型に表現するけれども、みずみずしい物語である。ありふれたものを思わぬ角度からきらきらと描き出してみせる。忘れかけたおさな心を甦らせてくれ、都会生活に乾いた心を潤してくれる。そんな物語。言っていて口幅ったいが本当である。最後のページまで、ありふれた出来事を、新鮮な角度から照らしてくれる。文庫本にはめずらしいカラフルな挿画も、よく似合っている。

読み終わったあなたはたぶん、胸に宿ったあたたかい灯し火のような読後感に、ほうっと溜息をつき、微笑んで席を立ったりはしない。しばらく座ったままで、物語が心にぼちゃんと落ちてきたような、波立つ読後感が、落ち着くのを待たずにはいられないだろう。その波紋はきっと、完全には鎮まらないだろう。そして『朝の少女』は忘れられない物語になる。忘れようとしても忘れられない物語に。

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2006-10-23 氷の海が、ひそやかにゆるむ

_ ジャイブ、ピュアフル文庫11月10日の新刊に木地雅映子『氷の海のガレオン/オルタ』がある。

復刊になるのだな。

「オルタ」は新作であろうか?

1994年刊行のオリジナル版(講談社)は、表題作、「天上の大陸」、「薬草使い」、三編のバランスがとてもよかった(松本大洋の装丁も)。どういう構成になっているのか、楽しみでもあり心配でもある。こわいくらい。

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木地雅映子の新作を世に出すことは、二階堂奥歯の、編集者としてのまだかたちのさだかならぬ懸案のひとつだった。元気であれば、当時作者の最新の消息があったフランスの片田舎まで、ずんずん行ったのではないかと思う。

ジャイブのどなたが掬い上げてくださったのかわからないけど、ありがとうございます。

当時、木地雅映子を追いかけている編集者がもう一人いると、奥歯から聞いていた。その人だろうか。

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『八本脚の蝶』でも何回か言及されている『氷の海のガレオン』は、記憶ちがいでなければ、ぼくが、高校生の頃の二階堂奥歯にプレゼントした、何冊かの本のひとつだった。

誰にでも読んで欲しいという本ではなかったので、店頭で強力にプッシュしてはいなかったが、必要な人の目にはつくように、ずっと面陳にしていた。

たまに一冊売れるたびに、それはぼくと奥歯にとってよいニュースで、「今日売れたよ」「わあ。大切にしてもらえるといいですね」、そんなふうに言葉を交わした。

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『ガレオン』が帰ってくるよ。奥歯。

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2006-10-26 存外の日和

_ マーティン・セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』を読んでいると、行動主義心理学がめっちゃかたき役で、最近読んだテンプル・グランディン『動物感覚』でもピアジェがまるで憎まれ役だったので、冷戦時代のエスピオナージュに登場するソ連みたいだな行動主義、と思った。

だからなにというのではないが、無意識のあちこちでは表層で私が考えることを参考にしたり横目で眺める程度にしたりしながらいろいろと別のことや似たようなことを考えている。表層では茫漠と考えがさまよっているときも無意識ではどこかに到達していたりして、表層にまでなにかが終わったな、という印象が届いてくることがある。今日も行動主義に関連するインプレッションが微増したことがきっかけになったのか、どこか私の眼の届かないところで視界が晴れたようだ。なにが決着したのかはわからない。おいおい表層意識がその辺を通りかかったとき、景色が変わっていることに気付くのだと思うが、今は見当がつかない。表層としては、いわれもないのになんだかすっきりして、すがすがしい気分が落ち着かない。

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予報では今日は晴れるはずだったのに鼠色の雲が垂れ込めて、もぞもぞした薄陽が時折り射してはくるものの、風がそよとも吹かず洗濯物が乾かない。うじうじするに絶好の日和だというのに、無意識が勝手に阻止する。いい気分が変な気分です。

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_ Robin [The night of the fight, you may feel a slight sting. That'..]


2006-10-28 分厚くはなくて長い長い長い小説

_ 川上弘美は文庫で出ているものはほとんど読んでいる、というくらいには好きであった。うまいし、はずれがない。

お茶大SF研出身で、山野浩一主宰のNW-SFでアルバイトをしていたことがあったり、ディックの『暗闇のスキャナー』(サンリオSF文庫)の解説を書いていたり、インタヴューでバラードやラファティからの影響を語ったり、恋愛小説のアンソロジーにハーラン・エリスンを混ぜてくれたり、エッセイで、なにもすることがないときは『火星年代記』を読み返す、などとと書いてくれたりするから貴重な人材であって、嫌いになることなんかできない。でも単行本で追いかけるほどではなかった。

奇妙なシチュエーションも、備わったセンスで自然に読ませてしまう。どこを切っても川上印で、安心して読める。文庫化を待てるくらい安心してしまうのだ。あえて不満を言えば、老獪なるも狡猾ではない、というかつまり、煙に巻かれる快感はあっても不意を打たれる快感はない、というあたりか。

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『真鶴』(文藝春秋)を読んで驚いたのは、ぼくはずっと、購入はしないまでも川上弘美の新刊が出るたび必ず手にとって「今度はどんなかな」とチェックまではしていた、そのことに気付いたことだ。単行本をぜんぜん持っていないということは、毎回「ちがうな」と思っていたということで、それなのに漏れなくチェックを続けていたのだ。だから『真鶴』も手に取った。あまり期待せずに、しかしなにかを期待していたのだろう。

いつか『真鶴』みたいのを書いてくれるはずだと、明識的に思っていたわけではない。しかし1ページ目で驚いた。今までの、内側から出てくるものでもたせていた自己完結的な川上弘美と決定的にちがう。愛嬌がない。自覚的に、観察をし、取材をしている。

川上弘美が、川上弘美から外に出てきた。

(とはいえ、『真鶴』を見てから振り返れば、こういうものが出てくる予兆はちらほらとはあったが)

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読み進むごとにあまりにたくさんのことを思いついてしまって、ぜんぜん読み進まない。本のページをめくるより速いペースで、ぼくの脳内のページがめくられてしまう。気がつくと本を閉じて、虚空を眺めている。

温度が低い本。ぼくの思考回路の、抵抗がいちばん小さくなるあたりの温度だ。

万単位で読んできた本のなかで、この温度にしてくれる本に二冊出会った。と言うか、それらの本で、この温度を知り、この温度に持続的に留まり得ることを覚えた。それが『真鶴』で三冊になった。これは個人的には大事件である。

温度がおなじでも場所がちがうから、また見知らぬ風景を引き出してくることができるだろう。考えたこともないことを、考えることができるだろう。

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読んでいると、読んでいる場合ではなくなる。いつ読み終わるかわからない。なかなか残りページが減らなくて、うれしい。

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2006-10-29 ふと本を置き、振り返る。

_ 『真鶴』を2ページ読む。

食事をする。

4ページ半読む。

読んでいないときに、隣りの部屋のTVから女の声が聴こえて、くぐもって意味はわからない。口調でニュースだとわかる。「真鶴」という単語だけ、耳が拾い上げる。無意識の関心も『真鶴』に向いているからだろう。ほんとうはたぶん言ってない。

4行読む。

眠る。

もう読んだところを、7ページ読む。

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