_ 行き止まりかなと思ったが、舗装路がどん詰まったところから直角に細い路地が伸びている。湿った路地を抜けて陽射しの下に出ると、にぎやかに呼び交わす子どもたちの声が聞こえてくる。家並みの向こうに小学校が見えて、あそこだろうなと見当を付けてみたが正門の前までくると校庭には人っ子一人いない。とまどいながら見回すと、この道の末端、大きな通りにつながるところをぞろぞろと子どもたちが渡っている。おとなの女の張り上げた声は先生の先導だろう。後続を眼で追うと、校庭の金網の向こうにどこまでも続く子どもたちの河がざわざわと流れている。
子どもの群れは、色数が多くて彩度も高い。眼にも耳にもにぎやかだ。
この河の水源はどこで、どんなふうに屈折して、どんな海に流れつくのだろうね。