_ 自転車で適当に角を曲がっていくと、いきなり見たことのない坂道の途中に出た。人も車も通らない。信号だけが変化している。
だらだらと坂を上り詰めると日陰のない平板な広場がある。今日は音のない日だ。
周りにはおなじかたちの真新しい家がおなじ角度で並んでいて、それを背景に、光沢のない折り紙のような二次元平面がちらほらと浮かんでいる。地面に影を落してはいない。なんだろうこの色。思わず眼をしばたくが、光を媒体としない色なのか、眼を閉じても脳裏にはくっきりと見える。残像がきついだけかもしれないが。厚みがまったくないらしく、あるかなきかの回転で、見ため上ゆっくりと狭まっていって線になり、消え、またちがう色の線となってあらわれる。満ち欠けを繰り返す。風情のない宇宙の慈悲のない月のようでもあり、なにも売るものがないという広告のようでも。
いつのまにか数が減っている。欠けたまま、満ちてこないのだ。
なにかが、なにかを通り過ぎているのだろうか。加速度ではない移動の感覚を肉体が申告し、心が保留している。
虫が、はじめて電光掲示板を見るようなものかな。
じーじーじーとか鳴いて、ぶーんと飛び去ってみたくなる。
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