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なにか新しいことを始めてしまうと、明白なプラトーに到達するまで全精力を傾注してしまう傾向があるので、用心しているのだが果たして新しいことを始めてしまって、本を読むようになってからこれほど読まなかった月はないな、と思うような月が二ヶ月続いた。ほぼ仕事の休憩時間にしか読んでない。
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_ 佐伯瑠伽『環八イレギュラーズ』は、次の次あたりに読もうと思って買ってあったのだが、寝仔さんのおすすめとあって俄然前倒して今読んでる松岡圭祐『探偵の探偵』やミハル・アイヴァス『黄金時代』やダニエル・ケールマン『世界の測量』を中断して即刻読んだ。
上橋菜穂子が、佐藤多佳子『シロガラス』について「私はここしばらくのあいだ、本を読んで面白いと思うといった感覚がなくなってしまっていたんですけど、『シロガラス』ではひさしぶりに「ああ……これだ!」という感覚がありました」そういうふうに語っていたけれど、僕は『環八』にそれを感じた。ああ、自分は長いこと、これを求めていたのだと。
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出会い損ねたことを無念に思うべき本は、読んでないから無念に思うことはできない。読んだからこそ、『環八』に出会えなかったらさぞや無念であったろうと思う。もっとも無念と思われるべきときにこそ、無念と思われ得ないことは、当の無念としても無念なところであろう。
『環八』のなにがどうすばらしいのかいろいろ言いたいことはあるが、時間がないのでいつか書くとして。
とりあえずここに立ち寄ってくれるような人のなかで、この本に出会うべき人が、読みたくていてもたってもいられなくなるような殺し文句を書き残しておきたい。
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『環八イレギュラーズ』がどんな本であるか。
ひと言でいうと、「木地雅映子が書いたSF」。
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ニヤリ。私も読みながらずっと木地さんがチラチラしていたのでした。帰省して良いところで中断中なので楽しみに読みます。 <br>本年もよろしくお願い申し上げますm(._.)m
一番はじめに書こうと思ったことを一番最後に書きます。 <br>雪雪さんが新しいことをはじめていると読んで、私は楽しくなりました。 <br>言葉にするとなくなってしまうものがたくさんあると思うので質問はしません。 <br>グッドラックです。
もうひとつ書き忘れました。また旅の途中ち立ち寄ります。
殺し文句に殺されて読みました>環八 <br>もちろん、読後感はお察しのとおりというか、言うまでもないというか。 <br>ありがとうございました!