_ すばらしい本のなかにも、色褪せてしまう本と色褪せない本がある。色褪せる本が、色褪せない本に劣っているとは限らない。
一冊の本を咀嚼して吸収して、やがて自分の血肉になってしまえば、その本はわかりきったことしか書かれていない本になる。しかしそういう本こそがむしろ、その人にとって必要欠くべからざる本なのではないだろうか。
人によっては、もう読み返すこともないから古本屋に売り払ってしまって、読んだことさえ忘れてしまった本のなかに、人生でいちばん大切な本が含まれていたりするだろう。むろんその場合、売ってしまったことが軽率であるわけでもない。
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確かに、そうだなあと思いました。 <br>知識や人間の内奥を探った本などは、ある程度読みこなして、いつの間にか血肉になって、意識しなくなったら、本棚から消えていることも多いですね。 <br>でも、私は物語を書くので、子どもたちが小学生から中学高校大学…成人になっても、まだ本棚にあります~新刊も買ってます~っていわれると、やっぱりうれしいです。