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雪雪/醒めてみれば空耳

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2013-06-06 叙景集

_ 848

「あなたのもとを訪れてきた、いままででいちばん遠くからのお客様はだれ?」

「いまきみに見えてるぼくから反射した光のどれか―直後に更新されちゃうんだけどね」

.

_ 849

「句読点!」と聴こえる叫び。白い時計が降る雪。

長い影が眠る法律。

海に傾いたうかんむりの磁器。

開口する頷くまでの窓の相同。長虫。果実に接続して、含むところもなく弁明もせず。

.

_ 850

系統樹の並木道で、彼は枝の先のネアンデルタールをもぎとってくれた。私の背では届かないので。

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_ 851

「君と僕はすごく似ているところがあるね」

「うん。いくつか。いちばんは膵臓かな。あと右手の薬指の指紋」

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_ 852

雷光に遅れる雷鳴は、光と音の速度差を教えてくれる。けれど、文を読んでいるとき、今眼が読んでいる場所に、「今眼が読んでいると思っている場所」が遅れていることは、感じない。雷光に雷鳴が同一視されず、雷鳴に雷光が同一視される。

.

_ 853

わたしの運命の紅い糸は、上空に向かって伸びている。

宇宙ステーションあたりまでならいいんだけど。

予断を許さない。

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_ かもめ (2013-06-19 14:03)

842、好きですとても。 <br>852の内容にも高得点ですけど、842の内容の無さっぷりがすばらしい。