雪雪／醒めてみれば空耳

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「果物の名前も花の名前も、付けない親のところに生まれたいです」という言葉が、ひどく遠回しなプロポーズだったことに、十年後に気付く。

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風を呼び止めるために、まずは空気に耳を彫り付ける。

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必要以上に目がよいので、降ってくる雪がぜんぶ違って見える。

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奇跡的な偶然の中の偶然の実例として、とある翡翠色の惑星に、その紋様が一編の詩としか思われない「豹」がいる。その文字を理解するものはその星を訪れない。20万年後にすばらしい続編が出る。それも読まれない。

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薔薇の花弁のあいだに落ちていった隕石を拾いにいく予定。

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苦悩の深さを計測する技術が開発され、世界記録が公認されるようになるが、その記録を更新しようとするほどの意欲があるならば更新できない。