_ 自転車で左右の、斜め方向の景色に視線を振りながら走っていると、考えが進む。
近景と中景と遠景がちがう速さで行き違うことが、考えることに似ているのだと思う。景色の推移と対称的な推移感が、頭の中で起こるのだ。その推移感じたいは思考ではないのだけれど、川の傾斜がきつくなったり水量が増えたりするのと同様の効果で、流れることが楽になるので、記憶の系がその配置と配線を変更してみたい気分になるらしい。
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体感が、体よりも浮いてきて、思考が、脳よりも浮いてくる。ゆるむゆるむ。
気持ちよい。
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(余談ですが、女性で多段変速の自転車に乗っている人はどうしてか少ない。変速機があると、機動性も疲労度も格段に違って、乗り回す快感の次元が違います。
多段変速の自転車に乗っている女性を見かけると、ちょっと惚れる。かっこいいし、ほんとうに希少なんだもの)