_ 答えがやってきたので解けたことは分かるが、そもそも謎なんかなかった。答えは言葉になるのだが、答えを得てなお、なにが謎であったのかは言葉にならない、そういうことがある。
あるいは答えそのもが、問いを見失わせる答えがある。
そして誰もがあらかじめ答えを携えて生まれてくるがゆえ、いつか解かれたということを誰も記憶していない謎があり、それらは忘れ去ることによってしか憶い出すことができない。
という言葉を答えとする謎が、いずこかにある。