高い高い断崖を流れ落ち、空中で霧散してしまう滝の真下で滝壺がひとり、訪れない滝をじっと見詰めている。
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猿はたしかに木から落ちることもあるが、鳩は豆鉄砲をくらっても無表情である。
雪から雪へ、踏み石のようにたんたんと踏んで、空へ昇ってゆくちいさな人びと。
見えなくなるまで見送りました。
見えなくなってからもしばらく、唄声だけは聴こえてきます。
ここでもし雪がやんだら?と思うとわくわく……いえ、どきどきします。
気が動転していたので胴体を切り離してしっぽだけで逃げてしまう。
臨機応変に死ぬ。
砂浜を盗む。
地球が平らだった頃には空も平らで、無限遠点で大地と空が溶け合うところは、天地平線と呼ばれた。