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雪雪/醒めてみれば空耳

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2004-02-25 叙景集

_ 522

終着駅で降りるとそこから先は世界がない。

断片化した世界はじぶんを忘れまい忘れられまいとして、あちらこちらの断片に微量に含有された故郷を喚び集めようとする。

「蒔かれた種子としての世界は心としてふるまい・・・」

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—ぬばたまの鳥はかたちのない庭に降りる。

世界のひとつが尽きるところで、向こう側に寝返りを打ったときにみたけしき。

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_ 523

もう誰も残っていない星に、届く手紙だけが堆積してゆく

.

_ 524

妖精の果し合いに行き会い、とばっちりで美人になってしまう。

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_ 525

繁殖期の都市が、広告によって、市民に胞子を運ばせる。

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_ 526

階段を這い降りるものの背中に乗るスリル