«前の日記(2004-02-21) 最新 次の日記(2004-02-25)» 編集

雪雪/醒めてみれば空耳

2002|10|11|12|
2003|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|10|11|
2005|02|04|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|11|
2013|05|06|07|09|10|11|12|
2014|01|03|04|06|08|09|10|
2015|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|
2016|01|03|04|06|07|08|09|11|12|

2004-02-24 叙景集

_ 515

自分の後姿を見送る。

かげろうにまぎれて自分が消える頃、自分に肩をたたかれる。

.

_ 516

煙草の自動販売機の前に、茶柱が立っている。

.

_ 517

水のない沼を訪ねて

浅はかなほとりに佇んで

縫われた霧と

貼り合わされた雲を

あやしながら修繕する

岸辺にこぼれた雲の内臓は

連れてきた家内がひまつぶしに食べてしまう

.

_ 518

よい風が吹くので、音楽のほころびを繕ったあと、陰干しする。

.

_ 519

指に刺さっている塔の、三階で待ち合わせをしていたのを、つい忘れて抜いてしまう。

.

_ 520

蜘蛛の視線で張られた蜘蛛の巣に、視線が絡まって目がごにょごにょする。

.

_ 521

「地震!」と思って目覚めると家が火事で、家は川に向かって必死に疾走している。