_ 頭が悪くなったから頭が悪いということについて考える。
ところが頭が悪いからよい考えが浮かびません。
頭が悪いときにこそ、頭の良さが必要なのに。誰かに、頭の良さをどくっどくっと注いでもらいたいよ。愛が足りない人に、どくっどくって愛を注ぐときみたいに。
_ なにを考えているのかわからない色黒の「問題」が、心の囲炉裏端にどっしり居坐って、うつらうつらしている。
このことがなにに似ているのかわからない。いつでも、たとえ話でつらいこともしゅるしゅるっとかわしていけたのに、このつらさのどこに抜け道があるのかわからない。
こんなこと、大した問題じゃなくて、ちょっとした発想の転換で抜け出せる。それだけがはっきりとわかる。必要なことがなにかわかっていて、それを与えてくれるのは自分だとわかっていて、今の自分には無理だとわかっていて。
_ もう少しでプラトーを踏破して、なにか見たこともないものが見えるところだった。そうすればいろいろなことが解決するはずだった。
今も、遠いところにいるから、いずれそれを見るだろう。そしてぼくはとても驚く。なにかを知る。それでいてぼくは、そこで得たものをどう使ってよいのか、見当もつかないだろう。
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(無毛の生き物の星で床屋の娘に生まれる、みたいな)
_ と、いうような状況はとても新鮮で、ぼくは今、ぜんぜんちがう意味の、見たこともないものを見ている。
好奇心が渇いているけど、水がない。新鮮な謎があって、この謎を探るための知覚を持ってない。なにを知りたいか、きっちり知っていて、問いが思い浮かばない。それでもなぜだか、ぼくはあきらめないでいる。
なにか、いままで解いたことのない解き方が、あるのかもしれない。
あるいは、すでに解けていても、それを知るすべがまだ見つかってない謎かもしれない。
もしかすると、知らないうちに自分自身を解き続けている謎かもしれない。
しかし、わくわくしないなあ。
ふっと、よろめいて、悟りなど開いてしまわぬよう足許に気をつけて。
意外にきわどいよ。
道幅がないし。
ぎしぎしいってる。
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