【余見】
①本題から外れた意見。ついでの思いつき。②画面の隅にヒッチコックを見つける。
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なにもかも知り尽くしたような娘が、バスを待つのを諦めて、日蔭のベンチで眠り始める。
バスになって、何台でも通り過ぎてあげたい。
「二段ベッドの上の段は、下の段とおなじぐらい好きです。あなたのことは、上の段と下の段を合わせたぐらい好き」
(どこか)
わたしたちがけっして辿り着けない星系で起こる月蝕
(闇のなかでのみ燦めく)
文明という概念に気付かないまま築かれ滅亡の意味を知らぬまま滅びた都市
(漂っているのは)
虚空に開いた眼を閉じることができずにいる無意味という意味を持たない言語
(したためられた)
二億年遅かった告白
(それを彼方へ)
満たされ方を捜し求める飢餓
(投函しに行く)