_ ひとりの人に、たくさんの私信を送った。
遠からず死んでしまいそうなその人に、僕は、当人の意に反して生きていて欲しかった。それが無理なら、幸福であって欲しかった。幸福がしかしその人の命を救わないなら、少しでも楽にしてあげたかった。
なににも増して、その人が求めていた鍵を、事態を早回ししてでも、反則してでも渡してあげたかった。
十何年か前のこと。
その私信の宛先は、いまはもうない。
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その頃から、電子メールや郵便で、私信を発することができなくなった。誰か特定の人に向けて、ということのハードルが高いようです。
この十数年、心が温まるような私信を幾通もいただきました。ありがとうございます。記憶では、一通だけ返信できましたが、それは質問紙でした。
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ほんとうに申し訳ありません。
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最近もはじめての方から一通の丁寧な私信をいただき、しばらく心頭滅却してみましたが、返事が書けません。
伝わることを祈ってここに書きますが、ぜんぜん気にしていません。ご心配なく。ご用件が、あまりにも繊細微妙で、むしろかような私信が成立することに励まされる思いです。ありがとうございました。
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ここまで埋めちゃうの?<br>と怒られそうなのですが(誰に?)。<br><br>本を置いていきます。<br><br>※藍川さとる 晴天なり。シリーズ(新書館ウィングスコミックス)<br>「晴天なり。」<br>「愛していると言ってくれ。」<br>「サンクス ア ミリオン」<br>「異星人交差点(エイリアン・クロスロ-ド)」<br>「週末のこいびと」<br>「さかなのf」<br><br><br>※「図書室の魔法」上・下巻 ジョー・ウォルトン(創元SF文庫)<br><br><br>誰にでも読める場所だからこそ、きみ、それはだめだよ、とか、それ以外でも、雪雪さんの御友人がつっこみを入れることも可能なように、私はこの場所を使います。<br>メールアドレスは本人確認程度の気持ちで書いております。<br><br>私も、あることがあってより、他愛のない連絡事項以外友人などに書き送ることができなくなりました。<br>それは、生きているあいだにもしだんだんと緩んでいくものだとしても、生きているあいだに「元に戻る」とは思わずに私は私を見守っています。<br>なにも、なんの反応を返すことも、きっと決意になってしまうと思いますから、この言葉もまた宙に放ってください。手品の鳩のように。<br><br>それはどんな「べき」でも書き変えられないことで、けれどそのうえに重なる時間もまた、あるだろうからです。<br>いってしまったひとも、そのひとをみていたわたしもふくめて。<br><br>立ち入りました。<br><br>また、お邪魔します。m(._.)m
寝仔さんのコメントを拝見し、嬉しくなったので足跡を残していきます。<br>藍川さとるはウィングス文庫版に単行本未収録作品が収録されています。ご存知でしたらごめんなさい。<br>わたしの高校時代のバイブルでした。呼吸ができるようにしてくれたまんがです。
早秋さん、こんにちは。はじめまして。<br>話しかけてくれてありがとうございます。<br><br>「晴天なり。」全部文庫になっていたのですね。雑誌はとってありませんし単行本も手の届かない所にあるので、未収録作があるの嬉しいです。もうずいぶん忘れてしまって、でも折に触れてよく場面が思い出される作品です。<br>ぼちぼちと集めてみようと思います。<br><br>長いこと読めていないのでまた視点も変わっているかなと楽しみです。<br>水道の蛇口の音のはなしや、まりあの話が特に心に残っています。秋葉くんでしたっけ「赤貧」という言葉を覚えたのを今思い出しました。<br>あの微細な感覚を描いて重くもならないのってよいな、ほかにあまり見つけられないなって、あらためて思います。<br><br>たぶん朝に寝ぼけつつ読んで、さっき幻かな? と見に来たのですが夢じゃなかったみたいです。
わお、横に長くなってしまいました。m(._.)m
寝仔さん。ご挨拶もせずにごめんなさい。<br>私も「赤貧」を学んだクチです。<br>再読したくなっているのですが、なにせ引越し後でどのダンボールにあるか分からず、もぞもぞしています。<br><br>ああ、藍川さとるさんの話ができるなんて嬉しいです。<br>どうもありがとうございます。
藍川さとるは、以前同僚に「読んでない! 読んだ方がいいですよ」と言われてレヴューをチェックすると、評言に「哲学的」という言葉が頻出するので気にはしていましたが、今月、文庫を買い揃えました。<br><br>おすすめいただいたもののうち、持ってないものはほぼ購入してあります。<br>貴重な情報ありがとうございます。
早秋さん。<br>挨拶は形式のようなものです。<br>私がなにやら丁寧にしているときは、緊張しているかいいかっこしよう! と思っている時です(笑)<br>私にとっても藍川さんの作品を読んでいた頃の私は懐かしく、涙もろいのでちょっと目がじんとしてました。ありがとうです。<br><br><br>雪雪さん。<br>えーと血が下がります。<br>(頭を下げるのでしょうか?)混乱中。<br>私は私の目と勘で好きな本屋さんとたまに大型書店で、目になって買った本を読む時間を、これからも確保しよう。という、気持ちになりました。<br>もちろんその棚を用意してくれた名も知らぬ書店員さんたちにも感謝です。<br>それから雪雪さんの本も、読んでいます。<br>こちらこそありがとうございます。
わー。雪雪さんの本も、ではついでのようですが、<br>空耳が更新されたと気がつくとものすごい勢いで買えるかなー、<br>読めるかなー、とチェックしています。m(._.)m