_ レイモンド・スマリヤンの『哲学ファンタジー』は、大好きなのだが買切で、潤沢に在庫しておくことができなくてたびたび売り逃したが、このほどちくま学芸文庫に入ってたいへんよろこばしい。「文庫化のネタ」について版元さんから訊ねられたとき、幾度となく推薦してきた甲斐があった。二冊ぽっちの配本はすでに折よく来店した馴染みのお客様に売ってしまったが、追加して積みます。
おもしろいところはいっぱいあるけど、特に「心身問題のファンタジー」の章では、哲学の本で無意味な言葉のたとえに定番的に使われる「円い四角があった」とか「赤い青を見た」といったフレーズが、素直に有意味であるケースが提示されていて、初読のときには、ドアのない部屋からすっと抜け出したような爽快感で、脳がソーダになった。
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_ あ、それからね、ラテンアメリカ文学史の高みにきらめく天上の星、フアン・ルルフォの唯一の長編『ペドロ・パラモ』がひさびさの復刊です。当店でも手持ちの最後の一冊を売ってしまったところだったので、願ってもないタイミングでした。すぐに読む気がなくても買っておくことをおすすめします。
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缶ビールのシーンがとっても楽しみになってしまい、<br>早速「ダールワス・サーガ」を三作取り寄せて「闇の戦い」<br>をゆっくり読んでいます。<br>私事でばたばたしており、たくさんあるような、ない<br>ような、選ぶと焦点のぼけそうなことを書く時間を<br>作れずに「緑の模様画」高楼方子さんをカキーンと<br>打ち返してみるところです。<br>特に夢のシーンを。<br>「水の都の王女」宮殿の地下の水のシーンと、ガーン<br>の図書館で本を直すヘジや、ペルカルの部族の神や死者<br>とのありかたに親しみを覚えたことなどなど思い出しつつ<br>こちらも取り寄せました。<br>(友達に貸したままなのでした)<br>また伺います。