明日の晩御飯になにを食べたか憶えていますか?
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裏庭の板塀の節が抜けたところを、針穴を通る糸のように、飛行機雲が通っていた。
冥界からの使者に道を尋ねられる。
左眼だけを許す。
背後にしかない荒野を、後退りで旅する。
野生の蜜柑が唸りながら、威嚇の果汁を汗のように垂らしている。
ぬいぐるみそっくりの熊を、猟銃そっくりのぬいぐるみで撃つ。
◆雲のように影を落として◆
先祖代々の墓が飛んでゆく。蟻の。