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雪雪/醒めてみれば空耳

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2006-07-26 説得される力

_ あまりに夢をみるので、胸苦しい。とても疲れる。

夢は、すでに知っていることを、もっと知らせようとする。もっと強く知らせようとする。

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_ 大切なことは言葉にすると、誰から発せられても似たような言葉になる。聞いたふうな言葉になる。大切な言葉はたいてい、すでに誰かによって語られていて、大切なことが書かれた本はいくらでもある。その言葉を、強く聞くことが難しいだけで。

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_ 知るということは程度問題であって、強く知ることを悟ると謂う。

なにかを強く知っている人は手強い。強く知っていることが、その人の弱さを支えているときは、その弱さが手強い。

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_ なにかを強く知っている人は、強く撥ね退けることもできるけれど、強く受け容れることもできる。

ただ、撥ね退けるほうが容易ではある。撥ね退けた後は考えなくてもよいけれど、受け容れた後は考え続けなくてはならないから(運命が強引に受け容れさせてくれた場合を除いて)。

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_ 伝えなければならない言葉は分かり切っているのに、言っても無駄だ、ということがある。あるいは、誰かに説得されるとき、すでに知っている言葉がまったくちがった強さで聞こえることがある。

それは、語る側の説得力のせいかも知れないし、聞く側の説得される力によるのかもしれない。

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_ 人と人が通じ合わないとき、説得力が不足しているのではなくて、説得される力が不足していることが往々にしてある。

ふしぎなことに、人は説得力のなさに悩むことは多いが、被説得力のなさに悩む人は少ない。説得される力がないことを、支えにする人がおり、武器にする人さえいる。

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_ ある特定の問題域に関して、未来においても説得されないという決定。それを信仰と呼ぶ。その効果は「迷いがなくなる」、ということである。

自由意志を制限する自由意志というものは、おもしろい。そして怖い。