◆仰臥◆
あれは雲ではない、蓮だ。
してみるといま瞳が見ているのは光ではないな、と思う。
泥が重い。
そう思ったが泥だと思ったのはからだだ。
もう寝返りも打てない。
気泡がひとつ、ふらふらと昇ってゆく。仲間のもとへ帰るのだなおまえは。