_ 煉瓦色の駅舎を出ると、歩行者専用のデッキが血管のように街の体内に張り巡らされていて、歩いていくと知らない女の子に呼び止められる。
「神様を信じますか?」
とってもきれいな声だ。
「信じてないけど、神様はいると思いますよ」
ぼくは否定的な返答をしたと思うのだけど、「わあ、うれしいな」彼女は満面の笑みを浮かべる。
そうか、あなたは嬉しいのか。
ぼくはまだよくわからないです。
知り合って間もないから。神様とは。