«前の日記(2004-03-27) 最新 次の日記(2004-04-07)» 編集

雪雪/醒めてみれば空耳

2002|10|11|12|
2003|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|10|11|
2005|02|04|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|11|
2013|05|06|07|09|10|11|12|
2014|01|03|04|06|08|09|10|
2015|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|
2016|01|03|04|06|07|08|09|11|12|

2004-03-28 叙景集

_ 599

列をなして螺旋階段を登ってゆく螺旋階段のこどもたちが渦を巻いて声を

.

_ 600

ことの最初から話せっていわれても無理。どこが始まりなんだか今はわからない。まだ終わってないし。

そもそも物語はいつもすでに始まっていて、途中ではっと気付くものでしょう? 途中か、終わってしまったところで。

うん。でも、そうでないこともある。

もう終わらせて、はやく終わらせてと頼んでくる物語もある。そういう物語はむずかしい。終わらせてしまった後に、まだ始まっていなかったことが分かる、そういうことがあるから。

この物語はまだ終わってないから、なにがこの物語を終わらせるのか分からない。終わるのかも分からない。終わらないとすると、始まりもないのかもしれません。

ことによると、「まだ始まったことのないたくさんの物語が始まり方を探しています」という物語が、始まり方を探しているのかもしれない。

わたしは物語の味方をしたいと思うのだけれど、外に出れば犬のおしっこのように、家にいれば猫のおしっこのように臭うばかりで、物語にとってはただのなわばりあつかいです。わたしの頭の中におしっこの臭いで色分けされた、カラフルなマーキングの地図ができてゆく。

.

_ 601

甘皮を枕に爪の上で睡っているあなたは誰?

.

_ 602

次期主力婚姻制度についての討議

.

_ 603

彼女は心細げに、たどたどしく歴史を変えた。

ほんの少しだけ変えようとして、おそるおそる指で触れて、べったりと指紋を残して、あわててごしごしとこすってしまったのだ。