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雪雪/醒めてみれば空耳

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2003-04-08  苺の進化論

_ 言葉は蜜蜂みたいにせっせと働いています。にんげんからにんげんへと、すごい速さで飛び回っています。あんなに一生懸命なのはきっと〆切があるからなのでしょう。にんげんという種の季節が変わる前に、蜜を集めてしまわないといけないんだ。

なんでも次の季節の変わり目には、いまにんげんが言葉として使っているものは、言葉ではなくなるのだそうです。

言葉はお野菜やお肉やお米や果物になって、食べられるようになるらしい。

二人で一緒に苺を食べれば、おなじ苺感情になれるのです。骨髄の田舎から出てきたばかりの初々しい血の色です。ぷつぷつのある空間です。いい匂いのおしらせです。

そして少し距離をおいてみれば、石垣促成栽培で育った恋の味が、匍匐枝の蔭から誰かをねらっているのが視えるかもしれない。

ここに書いたこの言葉が、未来の苺の原種になったりするのかもしれない。