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雪雪/醒めてみれば空耳

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2003-03-27 叙景集

_ 154

いつも 記憶のなかから歩いて来るというのに 見も知らぬ女

思い出せるなら思い出してと 今宵も脳裏にしばしあらわれ

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_ 155

月の下で眠る行軍中の蛮族が夢の中で全滅

.

_ 156

葉を羽ばたいて飛び立つ花。花。花。あのさえずりはどこから発しているのだろう。

目の前からめくれ上がるように消え去った群落を、東の丘が風のなかでつかまえて、スカーフみたいにふわりとまといつける。

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_ 157

流れ星流れ星どうかわたしの願いを叶えないでください。

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_ 158

「夢のなかから逃げ出すように目覚めたので、勢い余って現実からも覚めてしまった。おかげで日課にしていた夢日記が付けられない」

と現実日記に書く超現実。

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_ 159

心の外にさまよい出た言葉たちの旅

たゆたう丘々のすべらかな頂とほの暗いくぼみのすみずみまで

眼に見えない微塵が風に運ばれて訪れ

落ちたその場所にあるものの名前となる