いつも 記憶のなかから歩いて来るというのに 見も知らぬ女
思い出せるなら思い出してと 今宵も脳裏にしばしあらわれ
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月の下で眠る行軍中の蛮族が夢の中で全滅
葉を羽ばたいて飛び立つ花。花。花。あのさえずりはどこから発しているのだろう。
目の前からめくれ上がるように消え去った群落を、東の丘が風のなかでつかまえて、スカーフみたいにふわりとまといつける。
流れ星流れ星どうかわたしの願いを叶えないでください。
「夢のなかから逃げ出すように目覚めたので、勢い余って現実からも覚めてしまった。おかげで日課にしていた夢日記が付けられない」
と現実日記に書く超現実。
心の外にさまよい出た言葉たちの旅
たゆたう丘々のすべらかな頂とほの暗いくぼみのすみずみまで
眼に見えない微塵が風に運ばれて訪れ
落ちたその場所にあるものの名前となる