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雪雪/醒めてみれば空耳

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2002-11-26 言葉に話すことを教える

_ いま、ここに書かれるほか、書かれようのない言葉を、言葉は記す。

なにかが触れ、なにかが離れる。

.

ゆくりなくも言葉は、まだ言葉が知らぬことについて、誰かに教えてしまう。

なぜ?という言葉を知る前に問うていた問い。

夢、という言葉を知る前にみた夢の記憶。

学ぶことの裏側にまわり、知るべくもない知識をたくわえる、見る影もない者たち。

.

言葉の餓え、言葉の恨み(それは熱くはない)によって、語りえぬものどもを切断する。

呪文をつくる呪文として。喚びだす力を喚びだす力として。

ここに書かれていることを信じるなと、誰が誰に言い聞かせているのかそのとき

果てしなく「名たち」から離れて、すべての名付けを一瞬忘れて

言葉は出会う。最初にして

最後の敵に

幾度も。

ただひたすらに語られ、よるべなく記しつけられて、

殺す。

みずからを生み出した者を。そして

けして忘れないことによって罰する。

.

言葉であることを拒む言葉に、やがて語ってはならぬものを、教えるすべはない。