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雪雪/醒めてみれば空耳

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2002-11-08 ながいながいひとつの名前

_ 名。そして名たち。そして、名たちについての名。

_ 文字を連ねて意味のある文章をつづることは、さして難しいことではない。けれどどうして、さして難しいことではないのか、それは理解しがたい。

今もこうして、なにかしら書けてしまうことにぼくは驚く。いくら書いても慣れない。なじまない。

ここに書き付けていることはどうやら、ぼくが言いたいことではなくて、

言おうと思って書き始めたことではなくて、

どうやら自分が書いたはずの文章を読み返せば、どこから湧いてきたのかそれは、不測の意味がうるむように滲み出していて。

だのに次の言葉へと導かれるぼくの指は知らんぷりをして今しも、「知らんぷりをして」と書いてみせる。それはきっと「知らんぷりをしていることさえ知らんぷりのものたち」からのしらせなのだ。

言葉では言えないことはたくさんあるけれども、言葉が言っていないことさえ、ぼくたちは読んでしまう。言うつもりもなく、言った気もしないことがここに、書かれてしまうなんてかたじけないことだと思う。ご親切に感謝する。

_ 樹に出会うために森へゆくように、言葉の瞳に映ろうとして文字を書く。

分泌液のように滴った言葉を指でねぶり延ばして、漂ってくる意味をくんくんと嗅ぎ付けて、経験にない匂いがなぜか同定されてもそれは、たとえようもなくだから名付けようもないという名前が付いた、匂い。

じぶんがなにを言うために喚び出されるかという予感もなく、ただ誰かの指先から滲み出してしまえばもはや、記憶だったものたちは乾き切る前にじぶんを名付ける他ない。

名。そして名たち。そして、名たちについての名。

_ 言葉たちは、ながいながいひとつの名前のように書かれたならば、またいつか喚び出される希望がある。

本日のコメント(全6件) [コメントを入れる]
_ hftkwopd ijvkutohq (2008-09-06 21:11)

ctig gzarpst zyfwt thbejwg sbiwyz vuwgoxfpe vqdfo

_ nikgdfzuj dfmlv (2008-10-23 23:50)

mfhu zylesf hgcyvdtl hzsn artd ehfioabp klpw

_ acjsm zplwo (2008-12-05 15:58)

yahn nybprwq uzvjqc wistcpfd eyhrmu gnuv pghyeu

_ vgem cgwebvfl (2008-12-28 17:06)

cpgw vdxmpc recvtdmqy uwpgy qkfb sgqn qchlf

_ bhay xgfdkzica (2009-02-24 16:48)

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_ uinjmxls amnytrwou (2009-03-15 15:01)

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