_ 長いあいだ本を読んでいると
本を読む霊が遊離してくる
幾体も幾体も
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本を読もうとするといそいそと寄り添ってきて
いつもじっとそばにいる霊がいるし
遊離してから一度だけ戻ってきて
それきりのやつもいる
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話が合う霊も合わない霊もいて
霊どうしも
好きな本はおなじだったりちがっていたり
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わくわくしていると
泣いている
憎んでいる
くだらないなあと思っていると
指をあてて一行一行丹念に読んでいる
明日への希望を掻き立てられていると
うつらうつら寝ている
それを
別の読書霊が叩き起こす
それを
離れたところから見慣れた景色として眺めている霊は
とある霊から遊離した霊の霊で
びっくりしているのか
怒っているのか
恋に落ちたか
よくわからない霊がまたどこからともなく遊離して
あたふたと走り回っている
今ぼくが読んでいるページの上を
群れで
.
落ち着け
.
.
うまれたばかりでちいさくて読書が大好きな読書霊は
本を読んでいないときには
本を差して髪の毛をひっぱる
読んで読んで読んで
そのくせ気が散りやすくて
読んでいる本とは別の本の記憶を読みかじっては
頭の中で
朗読する
あわわ、動揺している間にまたコメントを戴いてしまった!<br>しかもずいぶん前まで遡っていただいたようで…。どうもありがとうございます。<br>しかも過去の記事内で雪雪さんの文章を無断引用してしまっていて、すみません。<br><br><br>ああ、慌ててご挨拶を忘れてしまいました。<br><br><br><br>雪雪さん、はじめまして。<br><br><br><br>ええと、突然の告白になってしまいますが、雪雪さんの視点、言葉、文章がとても好きです。<br><br>書籍版「八本脚の蝶」に引用されている雪雪さんの文章は、いつでも読み返せるように栞がはさんであったりします。<br><br>実はここにも何回か来たことがあるのですが、常にこっそり来てこっそり覗いてこっそり帰っていく鼠小僧でした。<br><br>なので雪雪さんからのコメントを見たときは、失礼なことに「ばれたか?!」と思ってしまいました(笑)。<br><br>読書。<br>最近丸呑みするように本を読む癖が付いてしまったようで、もっとよく噛まなきゃいけないと反省しています。<br><br>読んだ文章をきちんと消化したい。<br><br>でもあっちもこっちも気になってしまうので、結局四方八方かじりまわって飲み込んでいる毎日です。
☆こんなところまで出向いていただいてありがとうございますサカダチさん。<br><br>本は、よく噛まなくてはならないときには、噛みたくなるものです。今は丸呑みしたりかじったりの時期なのでしょう。噛む力がついたら、しぜんに噛みたくてたまらなくなります。「噛まなきゃ」と思うことは、噛む力がついてきている徴候かもしれません。<br>まったく知った風な口をきいていますねわたくし。失礼いたしました。<br><br>ぼくは、歯応えのある本は大嫌いでした。今は昔の感があります。