_ 扉ばかりの沿線の向こうに
山肌をなだれ落ちるあわてた鳥の
炎症が照り映えている
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蠕動運動会の前日にほど近く
太陽の睫毛と歯列の長城のあいだを
うつぶせの星雲が通るので
稜線の高圧鉄塔が分子をしかめる
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独学の造物主は校庭で
渡り鳥の黙礼を指導している
ひそひそ「・・・もとは湿地帯の仏壇」声を殺した
うわさ話が聞こえる
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汗を拭く入道雲の
指使いの翻訳
遠雷の辞書をひもとき
沈黙を幻聴し
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人面の
ささやかな仰角に
月のいろの静脈が川
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仰のいた喉元の
むせる水道橋から落とした
後頭部の請求書
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流れ着く先