_ 「あるひとりのひとのなかに好奇心が不在のとき、勇気は暴力である」
エイールソング・ザナディ
_ 好奇心に対する好奇心は最後の砦かもしれない。
それは「好奇心が失われてしまった」ことににも関心を持つ。
「好奇心に対する好奇心が失われてしまった」ことにさえ関心を持つ(「好奇心に対する好奇心」はあらかじめ、「好奇心に対する好奇心に対する好奇心」であるから)。
さほど戦力はないので、本国が陥ちてしまったらどうしようもないが、しかしこの砦はあらかじめ衛り切られている。
ひとたび建造をなしうれば無謬。
潰えることのないほんとうにちっぽけな希望。
常に敵より一歩先んじて、どこまでも撤退を続ける。砦ごと。
退くごとに速度を上げ、閃くけしきにめまいしながら
それでもここがいつだって、最初の場所と知っているから。