赤ん坊が産まれるとすぐに、その顔を見て親のどちらに似ているか?という話になる。挨拶がわりにとどまらずみんな本気で知りたいし決めてみたいように思える。かく言うわたしもそうなのである。考えてみれば、顔だけとってみたら、自分は親のどちらにも似てないし、妹たちも似ていないし、三姉妹同士でもあまり似てない。それで不思議だと思ったことは無いというのに、新しい赤ん坊に対しては親のどちらかに似ているはずだという思い込みがあるのはなぜだろう。性格というものがまだわからず顔だけが判断材料だからだろうか。性格にしたって、全面的にどちらかに似ている、という例は少ないと思う。それにもかかわらず、自分の子に関しては、どっち似かしらとけっこう気になる。
次男は産まれたてのころは家族の残り三名のいずれにも似てなかった。それがさいきんは、長男が赤ん坊のころに似てるんじゃないか?と夫と話している。正確には、長男の赤ん坊の頃の写真に、だが。
そして、この兄弟の似て具合は、松田優作の息子ふたりの似て具合に近いかもなあ・・・という考えが湧いてきて、いやいや今をときめく若い美男子俳優を引き合いに出すなんておこがましいわ、と思い直す。次に浮かんだのは、元チェッカーズの兄弟で、兄の方がけっこう嫌いなので思いついた自分にがっかりする。
気を取り直して、兄弟といえば千原兄弟、だけどあんなに似てないし、中川家よりはかなり似てる。次はキセルを思いついたけれどよく顔しらないし。条件反射のようにキリンジが挙るけれどあれよりは似てるのではないかなあ。甲本ヒロトと甲本雅裕、はいいかもしれないけど、彼らは弟の方が年上にみえて何だかなあ。
やはりちょうどいいのははじめに挙げた2例なんじゃないか。べつに、松田兄弟に息子たちが似ているというわけではないのだし、引き合いに出してもいいじゃないか。というわけでそういうことにする。そういうことにしてどうなるのか不明だし、そもそも、似てる/似てないの話ではよく他人と意見の不一致がおこるので客観性も与えられない話でした。
物事を単純に理解しない人、安易にまとめたり決めつけたりしない人をみると、頭がいいなあと思う。そういう人の話には、わかりやすい分類法がでてこない。わかりにくく、奥行きがあるようなことを言う。
それから、自分のことをひと事のようにつきはなして見ることが出来る人も頭がいいと思う。
自分の固有名詞の憶えられなさっぷりに自分で引いたり道に迷って呆然としても、とくに気に病みはしないけれど、自分が既成概念を使って安直な考え方をしていたことを自覚すると、がっかりする。
そしてそれ以上に、自分の感性や考えに独自性があるだとか、それに他人が関心を持っているというような、自意識過剰さ・自己中心的な思い込みに気づくと、かなり恥ずかしい。
けれど、恥ずかしい、と感じること自体が、自意識過剰のあらわれなのだった。
自分に対して客観的になれば、政治家でも何でもないわたしが、「自分の感性や考え」という言い方をすること自体がおかしいとわかる。わたしのの言うこと書くことすることは他の誰かが言ったり書いたりしたことをマイナーチェンジした再生で、それはまた他の誰かに同じように再生されるかもしれないしされないかもしれない。それらはどこかに名前入りで記録されているわけはない。こういうことをわかっていれば、恥ずかしさを感じる必要などないのだ。
こんな風に思うとかなり解放感がある。ただ、それで気が済んでしまい、また同じようなナイーブな思い込みにとらわれることになるのでわれながらアホだ。
このことと、短絡的で安易な考えをする頭の悪さはつながっていると思う。どうしたら抜け出られるんだろう、と毎日かんがえているのは、やっぱり自分のことしか考えていないのでバカみたいなんだけれど。
「語り得ないものについては沈黙しなければならない」とウィトゲンシュタインが書いたのは、一般的なこととしてではなく、ひとりで「ここんとこは黙っとこ」と思い、個人的な注意事項として書き留めたのではないか、なんてことを思った。この文が現れる文脈をまるで無視しているようだけれど、そう思った。
語ろうと試みれば、似ているがまるで違うこととして他人に伝わるのみならず、語ろうとしていたことが自分にとっても無効になってしまうような気がする。だから他人に伝えたくない。けれど、伝えたくないものについても語りたくなる誘惑はありつづける。そこで、「沈黙しなければならない」といましめのように書き記したのではないか。
そんなことを考えたのだが、まあこれはたわごとだとして、ではどうしてそんなことが書かれたのだっけ? 語り得ぬものは語り得ぬのだからわざわざ「沈黙しなければならない」などとあらためて言う必要はないではないか。
これを、前期ウィトゲンシュタインの哲学は語りすぎている、と片付けてしまうのは安易だと思う。そういう面もあったかもしれないけれど、それだけじゃなかったはず。
じゃあ何故なのか、いろいろと解説の類を読んだりして一時は自分なりに納得したはずだったのに、それを見事に忘れてしまっている。その納得は自分にとってはその程度のものだったんだといえばそうなのだが、まあ、ちょっと悲しい。
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