« 自作曲: Loboney | メイン | 朝の風景 »
2004年10月25日
株式会社ごっこ
「子どものころ夢中になったもの」(「トラックバック野郎」今週のお題)
小学四年生ぐらいの頃、友人Aと二人で、廃屋のような場所に秘密の隠れ家を持っていました。
しかしやっていたのは戦隊ごっこでも忍者ごっこでもなく、秘密の株式会社ごっこ。
べつに秘密にしなくて良かろうにと思うのですが、まあ秘密という芳しい響きを重視したわけですね。
Aは社長でぼくは部長でした。
「社長!」
「部長!」
と毎日意味もなく呼び合っていました。
会社でどんなことをするのか全然知らない二人ですが、社長室と部長室を用意したりして楽しんでいました。
ある日、別の友達Bが自分も入れてくれと言ってきたので、我々はどうするか相談しました。
そのときAが名案を思いついたのです。
「そうだ、入社試験やろう!」
そこで、子供向けの雑誌に載ってるようなとんちクイズなど、いっしょうけんめい問題を作成。
おもにAが作ったのですが、ぼくも夢中になって問題を吟味しました。
さて、試験問題ができあがり、我々はBに、入社試験に合格したら入れてあげてもいいと、威厳をもって告げました。
するとあろうことかBのやつ、
「じゃあ入れていらんわ」
などと言うではないですか。
さらに彼は、「なにが会社や、しょーもな!」と捨て台詞を残して去っていきました。
せっかく作った問題が……。
なんとも悲しくむなしく恥ずかしい気持ちになった我々は、まもなくひっそりと会社を閉鎖したのでした。
投稿者 mit : 2004年10月25日 00:24