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2004年10月21日
夢のような着メロ
大学時代からPHSを使っている。
周囲にいた数人がDDIポケットを使っていたので、合わせてDDIに決めたのだった。今にして思えば、アステルとかNTTにしなくて正解だった。半角カナの「Pメール」を使って、講義中にやりとりしてたものだ。
とくに不満を感じることもなく、今でもそのまま同じ番号で使っている。
最近では、仕事で携帯サイト構築に関わることもあって、携帯の操作が分からないと困ったりする。
でも、DocomoやAUやVodafoneに乗り換えるぐらいなら、「京ぽん」と巷で言われてるAH-K3001Vがいいなと思う。
PHSにも着メロはある。
最初は同時発音一音だけだった。
その頃のぼくの着メロは、はっぴいえんどの「風をあつめて」(アルバム「風街ろまん」)だった。
暇だけはあったから自力でこつこつ入力したのだ。
やがて同時複数発音(二音)ができるようになって、喜び勇んで入力しなおした。
ムーンライダーズの「駅は今、朝の中」。(アルバム「ANIMAL INDEX」)
PCでMIDIの打ち込みを少しやっていたので、最初にMIDIで打ち込んで、それをもとにPHSに入力しなおした。
付き合っていた人(今の奥さん)にPメールで送り、着メロに設定してもらって、悦に入っていた。
別れの曲なのに。
その後しばらく着メロなしで過ごしていて、あるときMIDIデータを着メロに変換するソフトがあることを知った。
これはすごい。
その頃には、DDIのPHSは「H"」という商品名になっていて、同時発音数もかなり増えていた。
ぼくは自作の曲を着メロにした。「蓮の花」というタイトルの素朴な曲だった。
この着メロは、二階堂奥歯さんに送ったら気に入ってくれた。
彼女はボリス・ヴィアンの小説からタイトルをとったのかと聞いたけど、そうじゃなくて、その頃再発されたワールドスタンダードのファーストアルバム(「音楽列車」)に入ってる曲に似てしまったから、そのアルバムのジャケットから取ったのだった。
同じ時期に、ビーチボーイズ「I Just Wasn't Made For These Times」のMIDIデータが、Webから人づてに手に入ったので、ぼくはそれを編集して変換ソフトにかけた。
この頃はたしかまだ著作権がらみの規制が始まったばかりで、何とか色々なMIDIデータが手に入ったんだった。
この曲は、「Pet Sounds」という素晴らしいアルバムに入っている。
そして、ああ、夢のような着メロができた。
あれからずいぶん経ったもんだ。
いつだったかPHSが壊れて、中に入ってた大切なデータが消えてしまった。
苦しかった頃の奥さんとのやりとりや、奥歯さんのメールも。ビーチボーイズの着メロも。
きれいさっぱり。
新しい機種は買ったけど、もちろんデータはもとに戻らなかった。
最近、その「I Just Wasn't Made For These Times」の着メロを思い出して、PCからなんとか探し出し、変換をかけて着メロに設定してみた。
ぼくは今でもまだ音楽が好きだ。
投稿者 mit : 2004年10月21日 00:04