夜の

ひとつの旅が終りからはじまる
知らぬまに
くちごもった赤んぼのブルース
ぶったたかれながらくちずさむ
瞑想的な雄山羊のブルース
くり返すこのうとましい想いに
離れたくなくてもあっけらかんと
忘れてしまう
逆録音にがい春のジャズ別れを告げて

うららかに
浮かれたつ性欲
このうれしさ
よせてはかえす
群生の矛先へ
収斂する仏
雲のうえに広げた
慈愛を感じ
生命のない賛歌
歌え
夜の地鳴り
おまえはいつも僕をてこずらせる