突然の稲妻のあと、娘の耳が消え失せる 残ったのは小さな陶製の豚 つるっとしたすてきな耳だったのにね 静寂から笑いがあふれて止まらない つぎつぎと暗闇の海綿に吸い込まれて 燃えあがるような娘の眼つき 動物の瞳が暗く澄みわたっていくので 私はべつの旅行の支度をはじめる