雷雨のせなかにふくよかな旗がのぼる。
白い布地に、女たちがじっとしている。
おたがいに呼び名を取りかえたりしながらも、
関心のなさは偽ろうとしないで、
めいめいの思いでに満ちあふれて。
そんなとき、時間はみずみずしい陰鬱な顔をする。
女たちは立ちあがって、てんでに歩きはじめるが、
ひとりひとりの色調と歩調は
眼を驚かせるように、いとも鮮やかに移り変わり、
ひとときもとどまることがない。