2006年02月17日
子どもと奥歯さん
奥歯さんと息子のことを同時に想うとき、僕は胸が苦しくなる。
彼女が、子どもという存在についてどのように考えていたかを想い、この世界の奇怪さに呆然としてしまう。
おもいだす。
大学時代の夏の日、キャンパスの日陰に座り込んで雑談をしていたことを。
子どもは好きじゃない、と三人の意見が一致したあの日のことを。
息子がこの世界に生を受けたとき、早く会いたい、と喜んでくれた奥歯さん。
恐竜のぬいぐるみを贈ってくれたこと。
息子を、いい名前だと言ってくれたこと。
生の連鎖を私で断ち切ると宣言した彼女。
幸せな結婚生活の夢を、病院で僕に話してくれた彼女。
投稿者 mit : 2006年02月17日 01:00